ソリに乗ってサンタが来たの!
みちのあかり
ソリの音はシャンシャンシャンと鳴る
甥っ子は可愛かった。
昔、甥っ子が教会の保育園に通っていた頃のお話。
毎日お祈りをし、マリア様の歌を歌うのがルーチンの保育園。
当然、12月ともなれば生誕祭のお芝居をしたりする、そんな保育園。
サンタクロースを信じないはずありません。
◇
12月25日。
うちに遊びに来た甥っ子は、はしゃいだ声で言った。
「サンタクロース、本当にいたんだよ」
クリスマスいらない。などと思っている私でも、甥っ子の夢は壊さない。
良かったね。プレゼント貰ったの? などと当たり障りのないことを言うと、彼はこう言った。
「夜中、シャンシャンシャンって音が聞こえて目が覚めたの」
ん?
「それでね、音が大きくなると、クルクルって黄色い明かりが窓に映ったの」
ほう。
「シャンシャンシャンって鳴りながらいなくなったら、プレゼントが置いてあったの! サンタさん本当にいたんだよ!」
嬉しそうに教えてくれる甥っ子。
なんてかわいいのでしょう。
でもね、甥っ子よ
それ、絶対、
「『チェーン装着した大型除雪車』だよ」
とは言えませんでした。
おしまい
ソリに乗ってサンタが来たの! みちのあかり @kuroneko-kanmidou
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