ソリに乗ってサンタが来たの!

みちのあかり

ソリの音はシャンシャンシャンと鳴る

 甥っ子は可愛かった。


 昔、甥っ子が教会の保育園に通っていた頃のお話。

 毎日お祈りをし、マリア様の歌を歌うのがルーチンの保育園。


 当然、12月ともなれば生誕祭のお芝居をしたりする、そんな保育園。


 サンタクロースを信じないはずありません。







 12月25日。


 うちに遊びに来た甥っ子は、はしゃいだ声で言った。


「サンタクロース、本当にいたんだよ」


 クリスマスいらない。などと思っている私でも、甥っ子の夢は壊さない。

 良かったね。プレゼント貰ったの? などと当たり障りのないことを言うと、彼はこう言った。


「夜中、シャンシャンシャンって音が聞こえて目が覚めたの」


 ん?


「それでね、音が大きくなると、クルクルって黄色い明かりが窓に映ったの」


 ほう。


「シャンシャンシャンって鳴りながらいなくなったら、プレゼントが置いてあったの! サンタさん本当にいたんだよ!」


 嬉しそうに教えてくれる甥っ子。

 なんてかわいいのでしょう。





 でもね、甥っ子よ




 それ、絶対、





「『チェーン装着した大型除雪車』だよ」



 とは言えませんでした。




          おしまい

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ソリに乗ってサンタが来たの! みちのあかり @kuroneko-kanmidou

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