時々文章の主客が分かりづらく??な部分もあったが,「チートなし」,「転生も精神年齢の理由付けのみに使う」というのは,むしろ新鮮だった.
“世のため人のため” が「当たり前」の作品は多数あります。そんな「当たり前」に対して一石を投じているのが、この作品の特徴です。安定のPT追放ものとして物語は始まりますが、タイトルにもある通り、主人公は追放されたことを全く気にしていません。また、今作の主人公はあくまで「比較的強い冒険者」で、チートスキル等は一切ありません。強大な敵に対して無双なんて出来ません。そんな主人公がヒロインの為、また自らの幸せの為に、確固たる信念を持って行動し、不条理な世や人と渡り合っていく展開がとても面白いです。
なろうで作品が書かれる際、読んだ時の舌触りを刺激するために「ざまぁ」「チート」「無双」「周りからの優しさ」のエッセンスを抽出して濃縮している作品が多い中、逆に抽出された後に残ったもので作られたかのような作品。例えるなら豆乳を絞った後に残るおからのような印象。分かりやすい刺激はないけれど読みごたえは有り、テーマに沿って奇麗にまとまっている点が良かった。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(75文字)