編集済
全部読ませて頂きました。拙い長文感想を失礼します。
少しずつ読んでいましたが、27話から物語が加速し始めたので一気読みしました。
私見ながら、龍平も姫奈もお互いに背伸びし合っていたような気もします。
一目惚れで近づいた姫奈は龍平の能力を引き出すべく、敢えて厳しく時にはつっけんどんにさえ接していた。19話にてようやく想いを打ち明けますが、彼専属の教育者としての態度とは裏腹に彼女も恋人と常により深く接していたいいち女性だった事がよく分かります。
片や龍平はそんな彼女に応えるべく執筆の腕を上げていくも、理想の相手と意識し過ぎたためか性欲とは切り離して接する。姫奈を傷つけたくない、というより理知的な彼女から軽蔑されたくない男としてのプライドも垣間見られます。
退学して家業を手伝う龍平、見返りを求めず付いていこうとする姫奈を押し留めました。龍平の立場からすると彼女を自分の家の都合に巻き込みたくなかった意志も感じられます。
真実の愛での相手とは距離を置いても問題ないとする龍平に対して、一番効果のある報復を行った姫奈。愛と性欲を切り離して考える彼に痛烈な提示を与える事に。幼稚な捉え方になりますが、やはり龍平への好き嫌い両面の想いが強すぎた模様。
その後は亡き彼女と対話しながら?恋愛小説無題を完成させますが、龍平一人では書けなかった観点も合わせてより良きものに昇華。二人の合作が果たされた瞬間でした。中でも「リアル」「リアリティ」の違いは勉強になりました。
龍平は完成した恋愛小説無題を世に出して作家になったのか?あるいは筆を折ったのだろうか?
人物の内面・小説を書く・男と女の認識違い・色々と考えさせられる深いお話でした。
作者からの返信
有難いコメントを頂きまして大変嬉しいです。
御礼申し上げます。
作中ではもうしあげられませんでしたが、とにかく龍平は性より愛を上に捉えて、姫柰は性を上においていました。
性とは欲の延長で、愛とはなにより純粋で美しいとされる風潮が強い中、本作の主人公たちは己の主観を思い切りぶつけ合いました。
その、どちらが正しいのかは筆者には分かりかねますが、ふたりの視線も姿勢も甲乙つけられないほど美しいものであると信じております。
叶うならば肉欲をとても大切にする姫柰に賛同して頂ける読書様がいることをわたしとしては望んでいます。
ここまでお付き合い頂きまして誠に有難うございました。
最後まで読ませていただきました。
楽しい時間をありがとうございました。
最後まで拝読させて頂きました。
姫奈さんの死後、龍平さんが小説で一組の男女の恋愛について描く過程で、姫奈さんとの関係や言葉の真意をもう一度見つめ直していく姿が胸に迫ります。
男女が完全に理解し合う難しさとそれでも求め合ってしまう尊さを感じました。
素晴らしい物語をありがとうございました。
作者からの返信
>東音様
読んで頂き、さらにレビューまで作成頂きまして誠に有難うございます。
この瞬間が一番うれしいですね。
龍平も姫奈もお互いに愛し合っていましたし、愛というものを非常に稚拙にしていました。
しかし、その表現方法があまりにも違いすぎてこんな結末になってしまいました。
愛に限らず、人間ってそんなものだと随分昔からそう思ってきました。
どれだけお互いを認め合っても、それを形にして、相手に伝えることがかなわなければ両者が快く思い続けることは無理なのではないでしょうか。
少なくとも幸せな結果にはならないと思いますね。
今後はもっと明るいこの物語を書いてみたいと思っていますので、ぜひそちらも応援頂けると嬉しいです。
有難うございました。