第42話.部屋の守護者
「もう、カルロス。
ルーファスは後ろを向くと、必死に笑いをこらえているカルロスに注意する。
「はぁ。まったく、敵を前にしてるっていうのに緊張感が無いなぁ」
後ろの三人を見て、ルーファスは呆れたようにため息をついた。
それを見て、アルフレッドとリリアーナは反省して、ルーファスにごめんなさいと頭を下げる。
だが、カルロスだけは、悪びれる様子もない。
「じゃ、そろそろいくよ。準備はいいかい」
ルーファスがそう言うと、アルフレッドとリリアーナだけでなく、カルロスも真剣な表情で頷いた。
「Go」
その合図で、全員が一斉に正方形の部屋へと足を踏み入れる。
先頭のルーファスが、一歩部屋に入った時点で、台座の上にあった四体の石像に変化が起こった。
石像の表面に無数のひびが入っていく。
ピキピキピキ。
パキパキパキ。
そんな小さな音が聞こてきた。
そして、いきなり表面が
その身体が、石像とはまったく違う、生きているような
狼のようなその
ガーゴイルが動き出そうとした瞬間には、ルーファスは
そして
魔力の乗ったその攻撃は、見事にガーゴイルの胸を砕いた。
胸を砕かれたガーゴイルは、二、三歩ゆっくりと前に進んだ後に、元の石像に戻った。
ルーファスに
アルフレッドは、ガーゴイルを
ダァーンという
ガーゴイルは、反動で後ろに大きく吹き飛ぶ。
魔力で
魔力活性によって強化された魔力は、武器に乗せることでその威力を跳ね上げる効果がある。アルフレッドは、それを立ち合い稽古中にルーファスから教えられていた。
まだ、完全ではないが、
アルフレッドは、確かな手ごたえを感じていた。
一方、後方にいたリリアーナも、ルーファスの合図で一気にガーゴイルとの距離を詰める。
その時には、ガーゴイルは既に動き出しており、
リリアーナは、それを軽快なステップで
アルフレッドのそれよりも弱い魔力だが、それでも
ガガガガガという激しい音と共に、ガーゴイルの身体を
以前、アルフレッドに彫刻と
一瞬で、ガーゴイルの身体を削りきると中に埋め込まれていた核を破壊した。
次の瞬間、空中にあったその身体は停止し石像へと戻る。そして、そのまま落下して床に激突すると砕け散った。
「ファイアーボール」
最後に部屋に入ったカルロスは、部屋に入るなり魔法を解き放った。
カルロスの前には
そして、炎の球はガーゴイルに当たると爆発した。
ガーゴイルの胸は、爆発で大きく削られる。
そこに向かってカルロスは剣を突き出した。見事に露出した核を砕くとガーゴイルは元の石像へと戻る。
それらは、四人が部屋に足を踏み入れて、ほんの数秒の出来事だった。
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