第41話.侵入
「じゃ、入ってみようか」
ルーファスはそう言うと、アルフレッドの
すると、先ほどと同じように、扉の部分が音も無く奥へと
「なんだか、すごいね」
誰にも聞こえないほど小さな声で、そう
入ってすぐに下へと続く階段があった。
壁も床も天井も材質は同じで、外から見た岩壁と同じ岩が使われている。まるで岩壁をくり抜いて造られているかのようだった。
実際に、そうなのかもしれない。
内部の石材は、つなぎ目などは無く、磨き抜かれた大理石のように滑らかで、
そして、
そんな壁や床を、アルフレッドは興味深そうに観察している。
下へと続く階段は、それほど広くなく、人ひとりが通るのにちょうどいいくらいの幅で、まっすぐに下に伸びていた。それは、それほど長いわけではなく二十段くらいで終わりのようだ。
ルーファスを先頭に、アルフレッド、リリアーナ、カルロスの順で
ほどなくして、階段の一番下まで来た。
その先は、大きめな部屋へと続いていた。十メートル
その台座の上には、
狼のような
湖の底の屋敷にあったガーゴイルと少し似ている。
「あの石像、ぜったいただの石像じゃないよな」
カルロスが少し嫌そうな顔をした。
「間違いなくガーゴイルでしょうね」
同意しながら、アルフレッドは腰につけたホルスターから
「湖の屋敷に居たのと同じかな。あれ、硬いから苦手なのよね」
以前の記憶を思い出したのか
「一人一体でいいですよね?」
ルーファスが
「僕が右奥、アルがその左。カルロスが左手前で、リリアーナさんが右手前でいいかな」
「はい」
アルフレッドが返事をして、リリアーナとカルロスは無言で頷いた。
「そうだ。ガーゴイルの
「そうか。そいつはありがてぇな」
「弱点が分かっているのはありがたいですね」
アルフレッドの言葉に、カルロスとルーファスは
「そういえば、あの時は一人で倒しきれなくて、アルが
リリアーナは
「リリィが
「そういえば、あの時、私が戦っているのを見て『
「そんなこと言ってないよ」
実際には、そう思っただけで口には出していない。だが、その時のことを思い出したアルフレッドは、笑いをこらえるのに苦労する。
「おかしいな。そう聞こえた気がしたんだけど」
アルフレッドは、首を横に振った。何かしゃべったら
「やっぱり笑ってたでしょ」
「ごめん」
アルフレッドはリリアーナに
「まったく、
「……痴話!」
カルロスが言うと、リリアーナは顔を真っ赤にして
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