第4話
Q銀行は倒産した。Q銀行は県の指定銀行でもあるということで国の管理下で処理することになった。債権債務は国の下で整理され県民や行政が買った株券は紙くずになった。ただし銀行業務はいままでどうり続けられ県民には何事もなかったかのようにみえた。多くの高齢者の株主にはよく事情が理解しきれず,いままでどおり営業を続けているQ銀行に何の疑いも持たなかった。行政も数十億という税金を投じながら県民に何の説明もしない。一時、株主代表訴訟でQ銀行の代表者が追求されたがなぜか数日間新聞を賑わせただけで立ち消えになってしまった。県民もそれ以上騒がなくなってしまった。翔太自身も府に落ちなかったがこれも県民性かと諦めていた。
数年後、国の処理が一段落して身軽になったQ銀行をZ証券が引き受けることになった。Q銀行は県や国の援助を受けて業績を順調に回復していった。やがて上場の基準が出揃うとZ証券はQ銀を上場させた。当然のことながらZ証券は莫大な利益を得ることになる。
翔太はこの2年間、Q銀行の株価の付き合いで神経も体力も使い果たし500万円も損をして多くのことを学んだような気がした。(結局、株は自分の力ではどうにもならな い、)これからは自分に投資していこうとある専門学校の門をたたいた。
天国地獄 小深純平 @estate4086
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