第4話 足跡


「ジョー!早く起きなさい!なにしてるのよ、もう朝の7時よー!!」


俺の目覚まし時計の10倍大きな声で、俺を夢から目覚めさせるのは母さんの楽しみの一つらしい。

俺だってガキじゃない、自分で起きられるさ。

ただ母さんは目覚まし時計の設定時間より1.2分早く俺の事を起こすんだ。


「おはよう母さん」


「おはようジョー、今日のモーニングはアップルパイよ、温かいうちに食べてしっかり目を覚ましなさいね」


「ありがとう。アップルパイって、、"オウベイカ"。」


「何言ってるのジョー、オウベイカって何よ」


「いや、大昔のジャパンで偉大なコメディアンが残した名言らしいんだ、"オウベイカ"何か良い響きだと思ってさ。」


「くだらない事言ってないで、今日はあなたの大切な面接の日なんだから、シャキッとするのよ。シャツとネクタイは用意してあるわ。スーツはネイビーのを着ていくのよ。」


「わかった、母さんありがとう。俺もついにISFに就職だよ。この最終面接さえクリアすれば俺も晴れてISFの一員だ、最高だよ」


そう、今日は記念すべき22回目の誕生日であると同時に、俺の新たなる旅立ちの日なのである。

俺の夢の1ページ目、ISFへの就職。

そのページをめくるか閉じるか、その全てが今日の最終面接の結果にかかっているのだ。


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