第3話 人類の夢2


私の姉カレンは、小さな頃から両親にこう言われてきた。


「カレン、貴女は学業全般は平均点より少し上、身体能力も全て平均点より少し上。突出して秀でてる所はないけれど、それが貴女の最大の魅力なの。」


まるでその通りになった。

姉は何事においても苦手な事が、とゆうより嫌いな事が無いのだ。

何事も卒なくこなせる、ただ何かにのめり込むほど熱中する事は無い、そんなオールラウンドな姉の性格が、彼女を偉大なる1人目に育てたのだ。


姉はMITを平均点より少し上の成績で卒業後、10年前の2165年にISFに就職をして、宇宙飛行士の訓練をしながら、人工衛星の管理課にその席を置いた。

それから10年間平均点より少し上の業績を残しながら徐々に社内でも名が通るようになった。


そんな折、ついに人類初の太陽への有人飛行計画『ソール計画』が作られた。

さて誰が人類史上初の太陽へのコロンブスになるのかと議論になった時、1人の発明家がこう言った。


「このSunny oneはとてつもなく複雑な電子回路ととてつもなく単調な操縦キッドで出来ている。利口すぎても頭が悪すぎても相性が悪い。どなたか何事も卒なくこなせる有望な人材は居ないか。」


その瞬間誰もが姉の顔を思い浮かべたとゆう。


そうだ、あの“偉大な凡人"の顔を。



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