第2話 人類の夢


〜西暦2175年〜


「あの轟々と燃え輝く巨大な恒星。我ら人類の最後の目標にして最大の目標、太陽。あの太陽に今日、人類が到達します。残る太陽系全ての惑星へ有人飛行を成功させてきた人類ですが、今夜、人類にとって大きな大きな歴史の1ページをめくることになります。」


インターネット上のニュース番組から聞こえて来る、単調だが滑らかな聞きごこちの良い口調。

それはそうだ。

喋っているのは人間ではない、ニュース報道用のAI、“NEWSY"だ、彼らは100年前から我々の食卓へ、その"美しい機械音"を届けてくれている。




さて申し遅れたが、私はジュリアナ・キャンベル。今夜、太陽での有人飛行を成功させようとしている偉大なる凡人の妹だ。


確かに太陽へ有人飛行を成功させたとすれば、それは計り知れない程の功績になるだろう。

核融合によって表面温度は約6000度、太陽自体を取り囲むコロナにおいては約100万〜300万度にもなる。

国際宇宙連盟(ISF)の大天才達によって発明された、太陽用スペースシャトル『Sunny one』。

その耐熱性は凄まじく、なんと500万度まで耐えられるとゆう。


その大きなタンブラーに乗って私の姉、カレン・キャンベルは今夜太陽へダイブするのだ。




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