柏原さん博識ですね!
物語の時代は1930年代でしょうか?
1858年生まれのカストラート歌手アレッサンドロ・モレスキが教皇聖歌隊を引退したのが1913~1914年頃だったので、実はバロックオペラがすたれてもバティカンでだけは歌っていたんですよね、彼ら。
ちなみに1903年に教皇聖歌隊の楽長になった作曲家ロレンツォ・ペロージが手記に、「自分が楽長になって一番大変だったことは作曲ではなく、不具にされた男たちが聖歌隊に入隊したいと私の所にやってくることだった」と書いているので、20世紀になってもローマにはいたのかも。
でも正式にシスティーナ礼拝堂で聖歌隊歌手として雇われていたのは前述のモレスキが最後です。
ちなみに彼はレコードを残していて、YouTubeで「Alessandro Moreschi sings Ave Maria (no scratch)」で検索すると聴けるはずです。
といっても1904年の録音なので、音の古さは覚悟して下さい(^▽^;)
1917年の初期ジャズ録音と比べると、私はずいぶんマシだと思います! が、初期アナログ音源に聴き慣れていないと厳しいかも知れません・・・
作者からの返信
綾森れん様
時代は昭和十四年を想定しています。
楽団リーダーは音楽通の域を越えている…構成上、カストラートという単語を知っている登場人物が副島以外に必要だったのですが。
戦前だと声楽家に加え、イタリア史や仏史の研究家くらいしか知らないかとも。ナポレオン関係で、知る可能性が僅かにあります。
カストラートが肝になるバルザックの短編も恐らく邦訳されていない。
二十世紀にも去勢された男の子がいたんですね…表舞台での活躍の場は残念ながらないはず。
A・モレスキの音源が残ってるだけでも奇跡です。聴き比べていないものの、ファルセットとは矢張り違うのかな。解説がなければ、その歌声は女声で、ボーイソプラノとも想像しません。
彼の歌う「アベ・マリア」に敬意を込めて、極夜の持ち歌にしました。
編集済
仕事の終わりに、自分独りに向けた華やかな舞台が待っているとは夢にも思っていなかったろう。
そば屋のおっちゃん、良かったね……。
章一郎たちも、あったかいお蕎麦に(ちょっと量はかわいいけど)ありつけて、良かったね。
カストラート。その重い歴史。
人の尊厳を奪う行為。
しかし、その歌声は妖艶で、オペラの花形……。
ほいほいほい!
綾森れんさまのコメントを拝見!
ユーチューブで、アレッサンドロ・モレスキ、聴きながら、このコメントを書いています。
たしかに、不思議な……、上手く言葉にできない……。
女性のような、妖婦のような、男性らしくもあり……。そう、女性より、ちょっと声が太いんですよね。そして、高く澄んだ声は、やはり女性のよう……。
うむ。まとまりませぬ。
いやはや、ユーチューブで聴けるとは、思わなかったです……!
作者からの返信
加須千花さま(ポイント⑤🎉)
ここで最重要キーワードが漸く登場。三段落としのラストになります。
①双子の入れ替わり←ありがち
②男の娘設定←流行りやろ
③カストラート←これで、どや!
もう少し知っている人が多いと思ったけど知名度が微妙だったような…
その中、綾森様が大変お詳しく、色々な神知識と参考書籍情報などを授けてくれました。
モレスキは音質が当時のものですが、残っているのが奇跡ですね。
解説がないと女声に聴こえるかなあ。ボーイソプラノともファルセットとも感じられるような。
声楽的にはコントラルト(contralto)と言われるようです。ウィキの「アルト」の項目に突如、カストラートが出てきます。