第4話 前進

2月いっぱいで退職を決意し

別居して自立して

離婚に踏み切る覚悟だった


どうしても

チョコレートが渡したくて

メールをしてみた

返事は無くて

もう一度だけ

「感謝してるんです。5分で良いので会っていただけませんか?」

すると、しぶしぶ時間を作ってくれた

3回目の奇跡

第一声は

「離婚したんですか?」

「いいえ、これからです。まず別居します。」

「子供はどうするんですか?」

「連れて行くと思います」

「これって、不倫ですよね?ダラダラとこうゆうの嫌なんです、もう二度と会わないという事で」

「二度と、会わないって言うのは、嫌だな、、、」

「じゃあ、一年後」

「一年も長いです」

「離婚はいつ成立するんですか?」

「わかりません、、、なかなか難しいんです。」

「死ぬ気で離婚しろ」

え?それって、どういう意味だろう


「メールももうよこさないで、連絡先は、削除してください、俺はブロックします。」


「半年後、職場のみんなで集まってそんな感じで会いましょう」

手を握らせてくれた

触れたかった彼の手だ

あたたくて

大きくて

いつも見ていた

仕事熱心の彼の手だ

涙が溢れた

最後、別れ際に

「幸せになってください。自分に関わった人は幸せになって欲しいと思います。」

彼の優しさが伝わった

優しい声

選ぶ言葉ひとつひとつ

愛情がこもっているような錯覚さえして

やっぱりこの人が好きだ

好きな感情は溢れるばかり


何も始まらずに終わってしまった

令和の恋


3月会社を退職して

家を出た

最後に旦那に

「もう一度考えなおさないか?」と、聞かれたけど

彼の「死ぬ気で離婚しろ」という言葉を糧に振り切った

2022年3月20日に離婚は成立した


成立後、離婚の報告のメールをしたけれど返信は無かった

彼と飲み友達くらいにはなれるかと僅かな期待もあったけどそれっきりだった

本当に失った事に気づいた時は

かなり辛かった

食事も喉を通らなかったし

世界が闇に包まれたようにさえ思えた

でも、彼が離婚に踏み切る勇気をくれた


今は、一年前と180°違う人生を歩んでいる

手放したモノも多かったけど

自由で自分を愛する時間を過ごしている

後悔はしていない

彼と過ごした日々は、キラキラしていて特別で宝物のようで

今でも胸を熱くする

15年過ごした元旦那との日々も

今では懐かしく、たくさんの事を学ばせてもらった大事な時間だったと感謝している

あの日々も間違いなく幸せな日々だった

無いモノばかりを数えて

不平不満を並べていた自分に気づき

今、何不自由なく自分が幸せだと思える

この宇宙のこの世界のこの地球のこの日本に生まれて

食べれる幸せ

笑い合える家族

当たり前だと思っていた日々は全て奇跡の集合体で

あったかくて愛おしい

彼と出会えていなかったら、私は今も

自分の幸せを他人のせいにして

どこか卑屈に生きていたと思う

2023年の私は、彼との出会いを通して心から笑える日々を手に入れた

見える世界を変えてくれた彼に

本当に本当に感謝している


この世界は美しい

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幸せの見つけ方 蒼桐 光 @aogiri211101

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