本当に心の底から嫌いなキャラって、いますか?

kayako

「嫌い」の気持ちを、自己分析する。


※若干デリケートな話題になります。不快に思われたかたはブラウザバックをおすすめします。

 



 私には推しキャラと言えるキャラが山ほどいます。

 二次元三次元問わず、様々な場所に推しがいると言っても過言ではないです。

 推しは人生の彩。心を豊かにしてくれます。


 しかし同時に、あまり好きになれないキャラも出てきたりします。

 主な理由は

「推しの出番がろくにないのに何でお前ばっかり」とか

「推しカプを引き裂きやがって」とか

「推しよりお前の人気が高いのがどーしても解せない」とか

「推しに酷いことしといて何でお前謝らない上お咎めなしなの」とか

「お前主人公でもヒロインでもないのに明らかに他キャラより寵愛されてるだろ!!」とか

「お前出てくると話グダってつまらなくなるんだよさっさと推しを出してくれ」とか

「お前その顔で何でそんなに分不相応な贔屓されてんだよ!?」だったり。


 要は推しがらみでそのキャラが気に入らなくなりがち、ということです。

 私がキャラを嫌いになるパターンは殆どコレ。推しがらみ。

 あとは、明らかに性格がクズだったりで普通に嫌いになることも勿論ある。



 ――ですが。

 ごくたまーに、今では10年に一度ぐらいの割合で。

 推しとか贔屓とか全く関係なく、本当に心の底から嫌いになってしまうキャラが出現します。

 それはもう、上で挙げた推しがらみで嫌うキャラなど比較にならないレベルで



 心底嫌い!

 顔も見たくないし声も聞きたくない!!

 そもそも語りたくもないし名前を口にするのもイヤッ!!!



 という嫌い方をすることがある。

 漫画キャラだったらそのキャラの出ている巻やページは触りたくなくなるし、ゲームキャラだったらそのゲーム丸ごと嫌になってプレイしなくなる。


 推しの数と比べると超レアではあるのですが。

 自分自身でもその「嫌い」の度合が異常との自覚があるほどの嫌い方で、どうしてそこまで嫌ってしまうのか、自分でもずっと疑問でした。

 自分の中でいきなり制御不能のスイッチが入ってしまう感覚。「嫌いスイッチ」とでも言いますか。嫌いというか拒絶反応という表現が正しいのかも知れませんが。

 しかもそのキャラたち、客観的に見るとそこまで性格が悪いキャラでもないんです。良くもないが。



 なので、かなり前からこの「嫌いスイッチ」については色々自己分析をしています。

 そういう不幸な出会いをしない為に、どうすればいいのかと。

 自分の心に何かしらの問題があってキャラを嫌いになってしまうのなら、その解決方法を知りたい――と。



 幸い?なことに、心底嫌いなキャラたちには共通点がいくつかあります。


 1.第一印象はそこまで悪くない。むしろ「あ、このキャラ推せる?」と思うレベル

 2.だが、その後の行動により第一印象の良さが徐々に失われていく

 3.好感度がだいぶ下がってきたある時、突然暴力をふるったり号泣したりして豹変。他キャラに被害が及ぶ


 特に3の「突然感情を爆発させて暴走した」時に「あ、このキャラ駄目だ、もう駄目だ、嫌い!」となってしまうパターンが殆ど。

 それこそスイッチが押されてしまったかの如く、それまでの評価が奈落の底の底まで落ちます。まさに「地雷を踏まれた」という表現がふさわしいかと。

 ちなみに全員男性キャラです。女性キャラでそうなったことはまずありません。



 ただ、謎なのは。

 こういう行動パターンを踏襲する「推しキャラ」も、かなりいるってことなんですよねw

 突然感情を暴発させて周囲に被害をまきちらすキャラだったら、自分の推しにも相当数います。

 でも嫌いにはなっていない。むしろ「こういう激しい感情吐露が見たかったんだよ! 人間的で滅茶苦茶イイ!!」と大興奮してしまう。

 最近の例だと『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のエラン君がまさに上記のパターンを踏襲してますが、好感度は全く下がらないどころか自分の中で爆上げでしたからw



 推しキャラがやると好感度爆上げなのに、推しになるかどうか微妙レベルのキャラがやると何故地雷爆発となってしまうのか。

 これは本当に長いこと自分の中で疑問だったのですが、自分の中である程度固まっている説が


「感情の流れが理解できるか否か」


 だと思っています。



 ここで「嫌いスイッチ」をモロに踏んでしまったキャラの具体例をひとつあげてみます。

 彼は某フリーシナリオゲームのキャラで、別に主人公ではないサブキャラでした。

 出会った当初は、少しウジウジしてて家族か恋人関係でふかーい悩みを抱えているっぽいけど、容姿は典型的な勇者っぽくてイケメン好青年だなと思ってました。

 しかし仲間にして使い続けているうちに、「なんかちょっと思っていたのと違う……」という感覚が強くなりはじめ。

 そしてある時、彼のイベントが始まりました。

 そのイベントの流れは


 ・何故かウジウジしながら主人公に愚痴をこぼす彼

 ・何やら家族か恋人かで過去に何かあったっぽいが、プレイヤーにも主人公にも事情がよく分からない

 ・意味不明のウジウジぶりにさすがにイライラを隠せず、たしなめる主人公

 ・その途端に突然感情大爆発、「ウギャー!!」と号泣しだす。

 ちなみにこの「ウギャー!!」は原文そのままです。



 10年ぶりぐらいに「嫌いスイッチ」が踏まれたと思った瞬間でした。

 何が悪いって、どうしてその感情爆発に至ったのか、その理由がこちらにはほぼ理解できないのが一番悪い。

 弟なのか妹なのか恋人なのか、男か女かすらよく分からん人物の名前ウジウジと呟かれて、ちょっと主人公がたしなめたら「ウギャー!!」と爆発。しかもその理由が最後までろくに説明されない。

 電車でブツクサ何事か呟いていたと思ったらいきなり窓を殴りつけて暴れ出す。そんな人物が出現したら誰しも恐怖を感じると思いますが、その感覚と似ているかも知れません。

 そう考えるとこの「嫌いスイッチ」、嫌悪というより恐怖の方が強いのかも。



 彼はそれ以降一切仲間にしてません。

 それどころかゲーム自体やらなくなってしまいました。推しキャラも複数いたのですが、彼への嫌悪の方がまさってしまった。

 昔ではなく最近になってからの例なので、結構自分の中でも衝撃だったケース。





「嫌いスイッチ」を踏まれた気がしたけど、どうにか踏みとどまったキャラクターもいます。

 典型例がエヴァ旧劇場版のシンジ。

 彼がアスカの首をしめかかった瞬間、自分の中で「あ、これ嫌いスイッチ入った!? 私もうエヴァ見られない!?」と危惧したのですが、実際のところそこまで嫌いにはなりませんでした(推しになってもいないが)

 恐らくそれまでは彼の感情の流れに非常に共感していたためかと思います。要はシンクロ率が高めだったからかと。

 アスカへのあの行為によって初めて彼への嫌悪感を抱いたのは確かですが、それでもそこまで嫌いにはなれなかった。積み重ね大事。



 かなり危なかったのがガンダムSEEDのキラ。

 あの作品自体が「キャラの感情をことさらに説明しない」「行間を読まないとキャラの感情が理解できない」タイプの話だったので、初めて見た時は突然意味不明に泣き出したり怒り出したりするキャラが多かった印象。

 特に主人公のキラはそれが顕著で、いつ「心底嫌いスイッチ」がバコンと踏まれるかハラハラでした。泣くシーンとかは慌てて音量下げてた覚えがあります。

 さらに最推し(=サイ君)がキラとドロドロの対立関係にあったこともあり、しかもキラは制作者の寵愛受けてて最推しが邪険に扱われ……などという噂が頻繁にあったこともあり、当初は「推し絡みでの嫌い」度合の方が酷かった。逆に言えば、サイ君の件がなければそこまで嫌いなキャラではないとも言えます。

 でもキラはあと0.1歩ぐらいで「心底嫌いスイッチ」踏むところだった。サイ君抜きにしても本当に嫌いになるすぐ手前まで来ていた。というかほぼ足がスイッチにかかっていた。スイッチが半分沈むくらいまで行っていた!

 何とか完全に踏み抜かずにすんだのは、やはり最推しサイ君への愛が勝利したのかと。

 キラをホントに嫌いになってしまったら作品自体に触れられなくなり、サイ君の二次創作すら書けなくなってたし!!


 ちなみに同じ監督作品では、モロに私の「心底嫌いスイッチ」をドゴンと踏み抜いてしまったキャラがいる。そういうキャラの出現自体がレアなのに、同じ監督作品で。

 あの監督との相性、すこぶる悪いのかも知れない(笑えん)




 あと、感情の流れがある程度理解できたとしてもその行動が行き過ぎているとスイッチ発動することもあった。

 簡単にいうと以下のような感じ↓


 主人公が「ママ大好き!」と発言⇒母親に関してトラウマのあるキャラが主人公を思わず怒鳴る⇒まぁ学生同士なら分かる

 主人公が「ママ大好き!」と発言⇒母親に関してトラウマのあるキャラが自殺をほのめかし失踪した挙句、助けに来た主人公をぶっ刺す⇒そこまで行くと分からん!! 無理!!




 ただ、推しキャラに限って言うと全て例外扱いになるんですけどねw

 どれだけわけの分からん感情暴発しても、推しなら全て許せてしまう。客観的に見てどんなに理解不能な行動であっても、推しであれば何とか理解しようとしたり、「そんな痛々しい姿もカワイイ!!」とかなったりしてしまいます。

 中には、推しじゃなければこのキャラは何回スイッチ踏んでたやら……という推しもいたりしますw



 でも逆に、推しとはほど遠いキャラ(例えばモブに近い爺さんキャラとか)がそういう暴発しても特にスイッチ押されない。普通に嫌になることはあってもスイッチ入るほどじゃない。これが未だに自分では不思議。

 最初の好感度は結構高く、もうちょっとで推しになるかも?という段階まで来ていたキャラにスイッチ踏まれるケースが殆ど。

 さらに言うと、「なんかちょっと違うかも?」となって好感度が下がりかかっているキャラで。

 このメカニズムが本当に自分でも分からない。「キャラに裏切られた」感もあるのかも知れない。




 突然わけの分からない感情暴発をするキャラ。

 考えてみると、子供の頃はこういうキャラに結構な回数遭遇して恐怖していた気もする。

 そういう人物はアニメや漫画だけでなく現実に存在することも多かった。むしろ現実の方に多く存在していた気もする(暴れん坊の男子とか)

 そして遭遇するたび、大泣きして逃げ出していた気が……



 人生で一番最初にそういう、激しい嫌悪を抱いたキャラクターは誰なのかと自分の記憶を掘り返してみると。

 あれは物心つくかつかないかの頃。名前は伏せますが、当時既に超ベテランだったお笑い芸人でした。

 お笑い芸人というのはその職業柄、突然観客が仰天するような行動をとったりビックリするような表情をしたり、意味不明としか思えない感情表現をして笑いを取りに行くことが多いですが――

 多分そういったビックリ芸のどれかが、幼い日の私のトラウマになってしまったのでしょう。はるか遠い記憶のかなたなので何が原因でそうなったか詳細は思い出せませんが。

 子供から見たら熊のように大柄で、顔つきも怖かったその芸人さん。その頃の私は彼が画面に映るたびにギャン泣きし、テレビの前から逃げ出していた記憶があります。

 一体どんなビックリ芸が原因でそうなったか、思い出したいけどマジで思い出せない。


 これを考えると、テレビが幼い子供に与える影響って想像以上に大きいのかも知れない。

 子供にとっては殆どのタレントが自分より図体の大きい大人だし、そんな大人が(芸であっても)突然暴れたり激昂したりしたら、そりゃ恐怖する子もいるだろう。

 だからといってそういう芸をやめろというつもりは全くないですが。



 しかし大人になるにつれ、「心底嫌いスイッチ」を踏まれたと感じる頻度は下がってきました。中学生ぐらいまではそこそこの頻度で出現していましたが、今ではもう滅多にありません。昔だったらこれ「踏まれて」たなと感じるキャラでも、今はむしろ好感を抱くこともあったり。

 ということは――

 そういう人物の感情の流れを理解できるようになり、恐怖や嫌悪を感じることも少なくなってきたということか。

 某ドラマのエンディングで、ダンディーに歩いていたと思ったら突然電話ボックスを殴りつけ始める舘ひろしに恐怖した覚えもありましたが、今ではアレちょっとカッコ良かったかもとさえ思えるし。



 やはり「暴発に至るまでの感情の流れを理解できるか」が大きなポイントなのかなと思います。

 しかし、暴発までの感情変化が敢えて書かれない(もしくは後になって明かされる)タイプのキャラクターも多く、その全員を嫌いになったわけでもない。

 自分も年齢を重ね色々な作品に触れた結果、「多分これは何かしら事情があってこうなっちゃったんだろうなぁ」と理解できるキャラが多くなってきたのかなと思います。

 ……それでも前述の「ウギャー!!」の彼は許容限界を超えてきましたが。逆に考えると彼は凄いポテンシャルの持ち主なのかも。

 ちなみに「ウギャー!!」の彼、中の人の評価は個人的にはかなり上がりましたw あの気持ち悪さと情けなさの表現は一朝一夕でできるものじゃない!!



 あと、このパターンで女性を嫌ったことが一切ないのも何なんだろうと思ってます。

 わけのわからん感情爆発って女性キャラの方に多いイメージなのに、そういう女性キャラに対して激しい嫌悪と拒絶反応を抱いたことは全くないんですよね……

 いや勿論「めんどくせぇ女だなぁ」「しょーのない甘ちゃん娘だなぁ」「こういうヒステリーヒロイン鬱陶しいなぁ」ぐらいはありますが。



 それにしても。

 最初はそこそこ好感度高いけど、よく分からない理由やちょっとしたきっかけで感情暴発させて周囲に被害を及ぼす男性キャラ。

 こう書くとモラハラ男の特徴とも似通っている気がする。現実でも遭遇して見事に踏んでったなぁ……スイッチだけじゃなく色々なものを……



 ともかく、自分の書くものに関しては読者様にそういう嫌悪感を与えるようなキャラは書かないようにしたいと思っていますが。

 逆に、それだけの嫌悪を催させるレベルの筆力も必要なのかも?とも時々考えたりします。

 トラウマを刺激しかねないほどのキャラというのは、それだけ心に深く食い込む力を持つキャラということでもあるので。

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