第2話「障害者を作中に出すメリットは?」
無いです。
……と書くと容赦ねぇな! ってツッコミが来そうではありますが。
だって障害者を主人公に据えたりしたら、そのキャラの障害の特性について深く知っておかなければいけないし、出来ることと出来ないことの線引きもきっちりしないといけないし、(読者から、同情心からの共感を持ってもらうため)障害を持つがゆえの悩みとかクローズアップしないといけないしで、めんどくさいこと山ほどありますもの。
例えばですが、「障害を持つ学生」プラス「学園もの」から導き出される要素はなんでしょうか?
個人的な感覚で言わせてもらえば、答えは「いじめ」です。健常者が障害者をいじめるのは別に珍しくもなんともないのですが(そんな風に言ってはいけないことは重々承知ですが)、障害者だって障害者をいじめたりしますよ。マウントの取り合いしますよ。人間ですもの。
テストの成績がどうたら、運動神経がどうたら、食事作法がどうたら、そんなことで突いたりしますよ。実話です。
まぁ、リアルの話はどうでもいいですね。障害者を作中に出すメリットについてですね。
これはどんなジャンルの作品でそういったキャラを出すか、どんな扱いにするかによると思います。バトルものとかなら「盲目の暗殺者」とかいますし、それで発禁になるほどの大騒ぎになったりはしなかったですよね。
(もしかしたら、自分が知らないだけの可能性もありますが)
恋愛漫画とか小説とかドラマとかでも、健常者と障害者が恋をして~といった作品は色々あります。共通して言えるのは、「障害のことで双方のみならず、周囲にも災難が降りかかる」ということです。
障害者を出すとなると、どうしたってその人の「障害」を掘り下げないといけないのです。恋を成就するための試練として、親はどんな風に育てたか、苦労してきたか、どんな風に生きていって欲しいか……なんてヘビィな部分にも知っておかないといけないかもしれない。
ね? 書きたくなくなるでしょ?
これを書いてる自分だって、「めんどくせぇな……」と思いますもの。フツーの、五体満足の人を書く方が断然ラク。メリットは無いに等しい。あえて障害者を主人公に据えたりすることは、自らいばらの道を歩むことになります。
扱いを間違えれば、変な人だけじゃなく、肩書だけ立派な団体からクレーム来ることだってありえますよ。その反対に、「よくぞこのテーマで取り上げてくれた!!」ってむやみやたらに褒められることだってありえますよ。
障害者を書きたいのか、人間を書きたいのか。
そこをハッキリさせておかないと、メリットは皆無です。掘り下げる勇気と度胸がないなら、最初から「障害者を作中に出そう!」という路線は避けた方がいい。脇役として出すのなら、サラッと触れる程度でもいいかもしれませんが……描写の度合いというものもありますからね……。
悪目立ちしたら意味ないですよ。
「メリットデメリットで障害者を語るとは何事だ!」とお怒りの方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろ「文句があるならかかって来い!」という心境です。「ただし、あなた自身が当事者——障害者で、かつ創作に造詣が深い人だったらの話だけどな!!」ともう一言添えておきます。
あくまでもこのエッセイは「障害者を創作に出すにあたって」ということに焦点を当てたものです。創作ですよ。フィクションですよ。「目が見えない美少女」なんているわけないだろうが! いて欲しいけどな!!
創作なのに、フィクションなのに、なんで自分はわざわざ注意書きのようなことを書いているのか。
気が向いたらその辺りに触れてみようと思います。
ひとまず、ここで締めくくります。
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