第14話 天使〜晴天の色合い。
装備を買いに行くとカナリアに、一報を入れて、いざ城下町へ。
最初に向かったのは、装備屋。とはいえ、エルナは魔法しか鍛錬していない為、武器は杖を見にきただけ。店の前につき入ってみると、立派な杖が並んでいる。
「わぁ、すっごい」
「エルナの好きな杖を選んで、高くても資金はたんまり貰ってるから」
「そう言われても、迷うな」
店の中を一通り見て回る。歪な杖や、シンプルな杖など顧客に合わせたデザインが揃えられている。その中に【アロン・アンジェロ】と書かれた杖を見つけた。その杖は先には丸く蒼い玉があり、片翼が玉を半分ほど包んでいるデザイン。エルナはその杖を手に取った。私は思い出していた。初めて飲んだカクテルを。そう、アンジェロという名のカクテル。私は好奇心でこの杖を選ぶことにした。
「この杖にするの? 天使だし似合ってるよ!」
「うん、クリスタは、選ばないの?」
「私はもう持ってるから、いいの」
「そうなんだ。それなら次は、防具見に行かない?」
「ええ、いきましょう!」
店主に防具はどこか聞くと、2階だと言われ案内された階段を登る。
「女性用防具。こっからか」
防具を見てみると男性用に比べて守る部分が少ない気がする。
「これ、ビキニアーマーだから、魔法で自身の防御をあげれる人じゃないと厳しいかな」
と耳打ちしてくれた。こんな破廉恥な防具があるんだと無駄に感心した。
他にはドレスの様に長い防具や革製の防具。龍の鱗でできた防具など様々だった。その中で一際異様で目立っていたのは、防具とも呼べなそうな。薄い布でできた防具だった。それは鎧ドレスというには間違いで、外見は、ただ単にドレスの様なものだ。ミニフィッシュドレスに、ビキニアーマーとチェインメイルが中に仕込まれてる物。
「これ、きてみたい」
目を惹かれた。白を基調として、インナーが水色。胸元にリボンが着飾れている。
中身三十路としては、恥ずかしいかもしれないが、今は7歳と割り切る。後、結婚したこともないので、ドレスを着てみたいというのもある。
すると、クリスタが一階に降りて。
「店主さん、これ試着していいですか?」
クリスタが試着の有無を聞いてくれた。店主は快く OKしてくれたので、着てみる。箱みたいな試着室で着替える。
「どうかな」
サイズが合わなくて、危うくずり落ちて乳房が出る所だったが、クリスタが壁になってくれたおかげで、誰にも見られずに済んだ。
「大きいね。店主に小さいのあるか、聞いてみよう」
「うん」
いつもの服に着替えてドレスを手に持ったまま、店主の方へ向かう。
「これの、小さいサイズってありますか?」
「これのか、現品だけだから、生憎、ねーが特別に合わせてやるよ。どのくらい大きくするんだい?」
「あ、いえ。こっちの小さい子に」
「はっ? おめぇ、ちっこいのに闘うんか!?」
「まぁ、そうですね」
「たまげぇたわ。そうか、そうか。ならその子に合わせるから少し待ってろ」
店主は奥に消えていった。30秒ぐらいだろうか。店主が戻ってきた。
「お待ちよ。できたぜ」
サイズも言ってないのに、前に合わせただけでわかる。ピッタリ。
「ありがとうございます」
「お礼なんていいさ、後その杖も買うんだろ。大事に持ってるけど、まだ買えてないからな!」
微かに笑れながら、杖をカウンターに置く。
「すみません……」
「ええよ、えーっと、合計で聖銀貨5枚と聖金貨1枚」
「はい、どうぞ」
皇子から貰った資金袋から取り出して渡す。
「お嬢ちゃんたち、金持ちだな!また来てくれよ」
「はい、いずれまた」
こうして、エルナは装備を揃えたのであった。
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