主人公、勢十郎が祖父から相続した田舎の大きな屋敷――そこには刀や鍔に宿るモノガミ(付喪神)が住んでいた。
黒髪美少女、金髪美人、そしてペンギン、個性あふれるモノガミたちに振り回されながらも、勢十郎は同居生活を始める。
ところが、そんなモノガミつきの刀を狙う『刀仙』が現れ、そこへ刀仙を捕獲しようとする『法力僧』という武装集団も出現、勢十郎は彼らの争いに否応なく巻き込まれていく……。
命をかけた激しいバトルもありながら、キャラたちのコミカルな会話の掛け合いも楽しい。
スピーディに展開するストーリーは、ページをめくる手を止めさせません。
そして、十六歳の少年が悩みながらも前に進んでいく姿は、これぞ青春というヒューマンドラマ的な一面もあります。
ぜひ皆様にも読んでいただきたい一作です!
冒頭からじじい…、いや失敬。
お祖父さまの遺言で始まるこのお話の主人公は高校生の大槻勢十郎です。
彼がその祖父から譲り受けた山奥にある大屋敷『大花楼』に向かったところから話は始まっていきます。
祖父亡きあと、誰も住んでいない『はず』の屋敷に勢十郎より先に住み着いていたのは…?
『名は体を表す』ではないですが、目の前の状況に驚くことはあれど、決して屈することなく真っ直ぐに相まみえる彼は、次々と登場してくる個性的な面々に時に翻弄され、時にぶつかりながらも自身の心を成長させながらこの屋敷で過ごしていくこととなります。
そんな彼らの行動に時に笑い、時にきゅっと胸を締め付けられながらも気が付けば読み進めていってしまう不思議な魅力を抱えたこの作品。
是非皆さまにもこのワクワクを味わってほしいと思います!