第20話 決着と少年

「いくよ、皆」

「ああ」

「ええ」

「うん!」

「はい」

そして、それぞれが全力で戦った。その結果、レティシアとジークは倒れてしまうのだった。

「な、なぜだ……?どうしてお前らがそこまで強いんだ……?」

「それは、僕達があなたより遥かに強かったから。それだけのことだよ」

「ふざけるな!俺が……俺がお前ら如きに負ける訳がないだろぉー!!」

「そうかな?君はもうボロボロだし、これ以上戦っても勝ち目はないと思うけど」

「黙れぇー!!俺は負けない!こんなところで終わってたまるか!俺は……俺は絶対に勝つんだ!!」

「そうですか。なら……仕方がありませんね」

「ああ……。お前にはここで消えてもらう!!」

アレスは魔人化した状態でアルフォンスに襲い掛かった。だが、攻撃はあっさりと避けられてしまった。

「なっ!?」

「遅いよ……」

「ぐふぅ……!」

そして、一瞬で背後を取られてしまい思い切り殴られた。

「うがぁーー!!」

「まだ終わらないよ……」

更に追撃され、何度も殴られ続けた。その度に骨が折れるような音がした。それでも、なんとか耐えようと必死になっていた。しかし、そんなことをしても意味がなかった。なぜなら、アルフォンスはわざと手を抜いているからだ。

(くそ……何故だ……?)

「ほらほら、もっと頑張ってよ」

「クソッ……舐めやがって……!」

「じゃあ、これで終わりにするね」

「ま、待ってくれ!頼む!助けてくれ!!」

「無理です。だって……貴方は既に死んでいるのですから」

「うわぁぁぁーー!!!」

こうして、アレスは完全に消滅したのだった。

「さようなら、アレス」

その後、全員で城の外へ出た。そこには大勢の人達が集まっていた。その中にはソフィアの姿もあった。彼女は涙を流しながらこちらに向かってきた。

「あなた~!」「おお!無事でしたか!!」

「はい!この通り元気ですよ!」

「そうか……。よかったです……」

「それよりも、早く城の中へ入りましょう!」

「そうだな……」

それから、ソフィアも交えて城の中に避難することになった。そこで、今回の騒動について説明を受けた。どうやら、何者かによって国が襲われているらしい。それを聞いて、急いで王都に向かったのだが、既に襲撃された後だったのだ。だが、運良く生き残った者達がいたので話を聞くことにした。

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おどる時間 コンラッド=フォン=イザール @isotaka_019

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