最果ての迷宮と3人の冒険者②

 猛炎を物ともせず狂気を孕んだ哄笑をあげる京介の姿はまるで悪魔のようであった。


 ボリスやレイアは呆然とし、根本的に人間を見下しているシュドムでさえ、彼の狂騒に気圧され戸惑っているかのようにすら見える。


 一同の気勢をそぎ落とした京介は錆びに塗れた凶剣を振り上げ――…


「アィィ?!ゲッ…けふんけふんっ」


 盛大に咳をした。

 先ほど口にした自分のこげた髪の毛が気管にはいってしまったようだ。


(まるで猫みたい…)

 レイアの感想だ。


 しかし京介の禍々しい雰囲気に気圧されていたシュドム達はその瞬間、呪縛から解き放たれたように一斉に行動を開始する。


 シュドムの1体が、魔法がダメならば直接攻撃だと判断したのか、下手な金属よりも硬質な自らの角を京介に突き立てようと姿勢を低くし、突っ込んでいく。


 シュドムの身体能力は人間を凌駕する。

 強靭な脚力を活かした突進は、例えて言うならば時速60キロで突っ込んでくる軽自動車の衝撃に等しい。完全に意識を逸らせていた京介はシュドムの渾身の突進を受け、その身は宙に舞い踊り盛大に石壁へ叩きつけられた。


 そこにすかさずもう1体のシュドムからの炎弾爆撃が加えられる。


 その様子を見ていたボリス達は京介を助けるべきかどうか悩んだ。

 明らかに京介の様子はおかしい。

 いまは確かに敵の敵ではあるが、敵の敵が味方だとは限らない。


 シュドムたちが倒されたあとは自分達に刃を向けるのではないか?

 そういう不安がボリス達の決断を鈍くする。


 ボリスがちらりとレイアをみやると、彼女もまた迷っているようだった。

 ギャリーは言うに及ばず。

 彼は全身に痛打を受け、倒れ伏している。本来ならこういう状況で判断を下すのはギャリーなのだが…。


 そしてボリス達が判断を先延ばしにしている最中も京介とシュドム達の戦闘は激しさを増していった。


 シュドム達は前衛と後衛に役割分担をしたようだ。

 後衛からの魔法攻撃は京介に決定的なダメージを与える事はかなわないものの、足元を崩したり、京介が斬撃を加えようとする所に魔法を打ち込んだりと上手く牽制している。


 前衛は強力な攻撃力を持つ角を振り回し、あるいは蹄で蹴り飛ばそうとしたり苛烈なラッシュを加えている。


 それらを相手取る京介の胸には少々の痣ができていた。

 先ほどのシュドムの突進をまともに受けた痕だ。

 意識を逸らせてしまったところに渾身の一撃を受けてしまっては、さすがの彼といえど無傷ではいられなかったのだろう。

 勿論、そんな状況で痣程度で済んだという事実に驚嘆すべきという見方もあるが。


 シュドム達も無傷ではない。

 確かに京介からシュドム達に攻撃を加える事は後衛からの横入りもあり中々難しいのだが、相手から寄ってきてくれる分には話は別だ。

 特に前衛の方は、攻撃を加える際にカウンター的に京介からの斬撃を受けてしまうせいで頭部が創傷だらけである。


 シュドム達には火力が圧倒的に足りない。

 魔法は体勢を崩すくらいにしか役立っていないし、溜め無しで繰り出す角や蹄の一撃は京介の纏う魔力の膜を破る事は出来ない。


 京介も京介で本能というか野生のみで剣を振るっているためにその剣筋は滅茶苦茶で、刃ではなく剣の腹で殴りつけるような事もあるためにシュドム達に大きいダメージを与えられない。


 お互いに決定的な一撃を与えるには至らない、一種の硬直状態だ。


 戦況が動いたのはその時だった。

 鈍い音と共に京介の振るう錆びた剣がへし折れる。もとから強度もそこまでなかった上に、彼の出鱈目な扱い方でとうとう限界を迎えたのだ。


「アィィ…??」


 不思議そうに折れた剣を見つめる京介。

 今の彼には折れるという現象がよく理解できていない。彼は剣がなぜ折れたのか?ではなく、どうして急に短くなったのか?というような理解の仕方をしていた。


 死闘の最中だ。

 そんな隙を見逃すシュドム達ではない。


 好機とばかりに2体が京介へ詰め寄る。

 京介は奇声をあげながらも剣を振るうが、斬撃の範囲もなにも考えていないために剣が届かない。

 届いたとしても剣に相手を切り裂ける部分が残っていない。


 だが、やはりそれでも京介は規格外といえよう。

 本能的に魔力で全身を覆う京介は、柄にもその範囲を伸ばし、役立たずになった柄を魔力の籠った打撃武器として扱いシュドム達を殴りつけている。


 だが魔力とは無限のエネルギーではない。

 もし京介がこのまま益のない行動をとり続け、魔力を放出し続けるのならば、あるいは彼の魔力というものが尽きてしまう…そういう可能性もないわけではなかった。


 戦況は均衡している。

 ただ、このまま無為な時間が続けば、早晩京介の魔力が枯渇するだろうことは目に見えていた。

 別に京介の魔力量が少ないわけではない。迷宮にただ滞在するだけで魔力を蓄えていく体質、これまで葬り去った魔物達から得た魔力、これらを総合するとシュドムなどものの数ではない。


 ただ彼の理性が失われているせいで、京介は常に魔力を放出し、無為な攻撃にすら全力で魔力を注ぎ込んでいる。

 その無駄は拮抗した戦闘においては致命的だ。


 それは後ろで見ているボリスやレイアにも分かった。


「ボリス…、あの人…」


「うむ。魔力の量は凄まじい。だが扱い方がまるで素人だ。このままではまずいだろうな」


 冒険者も魔力を有する。

 強敵との戦闘の際などは当然魔力を使用しての戦闘になるが、彼らは無為無策に魔力を扱っているわけではない。


 レイアなど魔法職の者は魔法という形で、ボリスやギャリーなどは戦技という形で魔力を効率化させ戦いに臨む。


「でも彼が殺されてしまったら……あっ!危ない!」


 京介の動きが眼に見えて鈍っていたのだ。総量にしてシュドムの10倍20倍では効かないであろう彼の魔力も、一挙手一投足に全力を注げば枯渇するのは天の理、地の自明であった。


 ぐらりと体勢を崩す京介を必殺の山羊角が、憎き怨敵の心の臓を貫かんと突き立てられようとした、――その時。


 シュドム達の背後から風を切り裂き一本のロングソードが飛来し、前衛のシュドムの羽の付け根へと突き刺さる。


 飛び散るドス黒い血飛沫。

 山羊頭の悪魔は苦痛と憎悪に暴れ狂い剣を抜き去ろうとする。

 やがて音をたてて剣が地へ落ちた。


「小僧!!その剣を使えぇ!!」


 いつのまにか立ち上がったギャリーが石壁へ体を預け、声の限りに絶叫する。


 勿論京介はギャリーの言葉は分からない。だが、足元の剣の煌きは京介にそれを握らせるのに十分な説得力を持っていた。


「アー………」


 京介は言葉にならぬ声をあげ、ゆるりと剣を構える。

 既にその全身は疲れ果てていた。


 後先の考えぬ魔力行使の元の無意味な攻撃


 防御すらせずに魔力のみで相手の攻撃を受け止め続ける暴挙


 もはやその身に残るのは僅かな魔力のみだ


「…指針はきまったな、レイア!」

「分かってる!」


 ギャリーの行動がボリス達の逡巡を吹き飛ばす。

 彼らがパーティを組んで数年、頼れるリーダーの判断に誤りがあった事は…数十回しかないが、少なくとも命がかかる場面での彼の選択にミスはなかった。


 レイアがスタッフを高く掲げ、自らの行使しうる最大の魔法を編んでいく。


 大気の摩擦を連続で引き起こす事で生み出す雷撃。


 これを二重三重にも重ね合わせ、一条の雷条とする上級魔法、雷撃鎖だ。


 ボリスは手を組み親指の部分を額に当て、なにやら呟いていた。一種の自己暗示だ。

 だがただの自己暗示ではない。

 これは簡単に言えば火事場の馬鹿力を意図的に扱えるようにする技術である。


 魔力で脳を刺激しているのだとか、そういう諸説はあるが真偽は定かではない。

 しかし、冒険者の間では長年この技術を以ってすれば、普段眠らせている力を励起できるとされてきている。


 この長年不特定多数の者達が言い伝えている、というのがミソで、本来はただの願掛けの様に過ぎないその行為が実際の力を有したのだという研究者もいる。


 ともあれレイアのそれもボリスのそれも、そこらの冒険者には扱えない高等技ではある。

 ならばシュドムと相対した際使えばいいと思われるかもしれないが、まずシュドムと彼らの力にはそう差は無いということを前提におくと、ここまで溜めが必要な行動をとるのは難しい。


 それにこれでしとめ切れなかったら、という不安もある。これらの行使は彼らの体力と魔力を激しく減衰させる。

 したがって、もし失敗すれば彼らには死が待つのみだ。


 勿論あの場に京介が現れなかったとしたら、彼らは早晩切り札を切らねばならなかっただろうが。


 ◆◆◆


 シュドム達は京介にかかりきりで彼らの魔力行使に気づかない。


 魔力の流れに敏感なはずのシュドム達の感覚は、己を恐れさせた人間風情の京介への憎悪で曇ってしまっている。


 レイアは術を完成させ、スタッフをシュドムの背中へ向け精神を集中させる。

 スタッフは青白く輝き、パチパチと音をたて空気を焼き焦がしていた。

 そして周囲にオゾン臭が立ち込めるやいなや、弾け翔ぶ稲妻。


 雷撃は狙いをあやまたず1体のシュドムの背中へ命中し、瞬間、凄まじい電流がシュドムの体内を駆け巡りその肉体を喰い荒らした。


 ボリスもタイミングを同じくしてもう一体のシュドムに肉薄する。

 拳を握り込むとその腕は大きく膨れ上がり、一時的に鋼鉄に勝るとも劣らない強度を得る。

 叩き込まれる一撃はまるでバンカーバスターの様にシュドムの脾臓部分へ抉り込み、ボリスの腕の筋肉の破断と引き換えにシュドムの肉と骨、そして内臓に深刻なダメージを与えた。


 渾身とは全身、満身、総身という意味である。

 まさにボリスとレイアは渾身の力を振り絞った。その代償は大きい。

 一撃を放った後、彼らは膝をつき、もはや青色吐息だ。


 彼らがシュドム達と相対した際に早々に切り札を切らなかった理由のひとつでもある。

 もはや彼らに戦う力は残っていなかった。

 だがシュドム達は…――


 見よ、神鳴るかのような一撃を受け、肉を焼け爛れさせながらも、その眼は邪悪と憎悪、復讐の光に満ちているではないか。

 見よ、鍛え抜かれた戦士が自らの力を一点に凝縮し、全身と全霊を込めた剛拳により肉を貫かれ、骨を砕かれてもなお、その蹄には鋼をも蹴り砕かんとするような力を残し、捩れた山羊角には必殺の気配が宿っているではないか。


 そう、ボリス達の一撃はシュドム達の命を削りきるには至らなかったのだ。

 人間とデーモンの格の差というのはそこまで大きい。


 シュドム達は怒りに震えていた。

 人間風情にここまで押された自分達に怒りを抱いていた。

 そして自分達のような高等な存在に牙を突きたてた人間風情には更に大きな怒りを抱いていた。


 山羊面の悪魔達がボリス達へ向き直ろうとした、その時。


 激戦の終わりは酷く呆気ないものだった。

 ほんの一瞬。

 シュドム達が京介から気を逸らせてしまったその時、死の軌跡がシュドム達の体を通り抜けた。

 これまでとは違う、まったく無駄のない剣閃にシュドム達は刹那の反応も許されずにその首を地へ落とす。


 すべては偶然だ。

 京介には余力がなかった。

 余力がない、ということはどういうことか。

 無駄な動きをする力もないということだ。

 殺す為の最低限、最小限の動きしか京介には許されなかった。


 故の瞬殺である。


 どちゃり、という肉が落ちる音と共にシュドム達はたかが人間の前に命を落とす事となった。

 戦いは終わったのだ。


 ◆◆◆


「ギぃ…ウー……」


 限界まで力を使い果たし、京介は仰向けに倒れ伏した。

 ガラン、とギャリーの剣が床へ転がり、石壁のたいまつの仄かな明かりをその剣身に映し出す。


 レイアとボリスも満身創痍だ。

 だがギャリーの傷も放っておくわけにいかない。

 レイアは這いずるようにギャリーの元へ向かう。ボリスは京介を油断無く監視していた。

 まだ京介という存在が無害なものかどうか定かではなかったからだ。


 ギャリーは見るからに辛そうに石壁へ体を預けている。息は荒く出血もまだとまってはいなかった。


「ギャリー、大丈夫…じゃなさそうね。傷の手当をするわよ。鎧を脱がせるから痛くても我慢して」


「…おうよ…ばっさりとやってくれ…。終わったらあの小僧も見てやってくれよ。おかしな奴だが、アイツがいなかったら皆殺しにされてた…。糞ッ、デーモンだと?こんな浅い階層で出てくるとは思ってなかったぜチクショウ…」


 ギャリーがぼやく内にも、レイアは手際よく手当てを進める。

 高位の治癒を行使する余裕はないが、応急手当くらいの軽い治癒と、持ち込んできた塗り薬のお陰でギャリーの容態はひとまずは小康状態を保てるだろう。


「ええ、分かってる。彼には助けられたからね。…はい、終わり。内臓が傷つけられていなくて良かったわ」


「おう、悪ぃな。まだ油断はできねぇがなんとか無事にこのまま街へ帰りたいもんだな」


 やれやれといった風にギャリーがため息をつく。

 今回の探索ではB6Fまで足を伸ばすつもりだった。B6Fは魔力を蓄積する性質を持つ鉱石が採掘できる場所があるのだ。

 この鉱石を加工すると、魔法の武器や防具、道具が作成できる。


 振れば炎を纏わせる炎の魔剣などは魔法の武器の代名詞として冒険者達へ広く知られている。

 ちなみにこの魔剣は街の鍛冶屋で販売されているのだが、目玉が飛び出るほどの価格でいまだ誰も購入者がいない。


 安価な所では魔力灯だろうか。

 迷宮の回廊や玄室は誰が設置したのか定かではないが、等間隔にたいまつが設置されている。

 このたいまつは何故か燃え尽きることが無く延々と燃え続ける不思議な代物なのだが、時折、このたいまつが設置されていない暗黒空間と呼ばれる区域が確認されている。


 そういった場所で魔力灯は光源となるために冒険者達に重宝されている。


「…最近迷宮の様子がおかしいって聞いた事があるわ…。黒い襤褸を着た骸骨が居たとか、本来深層にしか居ないはずの強力な魔物が出たとか…。それに…ギャリーも感じない?この、空気っていうのかな…。薄ら寒くなるようなこの雰囲気。デーモンだってこんな浅い階層に現れてる。それだけ瘴気が強くなってるってことよ」


 レイアはぶるっと体を震わせ俯いた。


「……まぁな…。確かに変な感じだ、ここ最近の迷宮は。帰ってこない冒険者たちの数も増えた。俺達も余り欲をかかねぇほうがいいのかもしれねぇな。この階層でコレなら、深層部はもっとおっかなそうだ。おっと、小僧の所へいってやれよ。仮にも命の恩人だ。死なれたら寝覚めが悪い。ボリスの奴も…ああ、奴は自分で手当てしたみたいだな」


 レイアが頷き、ボリスと京介の元へ行く。


「お疲れ、ボリス。うぇ、ちょっと汗でぬめぬめしてるじゃないの。拭きなさいよね…」


 ぽんとボリスの肩を叩いたレイアが顔を歪める。

 手はべっとり男の汗で濡れており、げんなりした表情でローブに手を擦りつけた。


「大分体を動かしたからな。おい、そのような顔をするでない、失敬な女子だ。…ふむ、ギャリーは無事の様で安心したぞ。…今回ばかりは肝を冷やした…。あの奇矯な青年が居なければ、このように話す事はかなわなかったであろうな」


 手ぬぐいを取り出し、全身の汗をふき取るボリス。脇の下までしっかりとふき取っている。

 腕を伸ばしぐっとこぶを作り、布で丁寧に擦る姿にレイアは危うく白目を剥きそうになった。

 ボリスは付き合いも長く、信頼も置ける頼れる男なのだが、どうも彼の細かい動作の一つ一つが筋肉を誇示するような感じがして辟易とする事が多々ある。


「怪我は平気なの?それと…彼はどう?」


「拙僧は仔細ない。彼はどうやら…寝ているようだな。だがここはまだ迷宮である。無防備なまま寝ていれば魔物の餌食となろう。ギャリーは彼をどうすると言っていた?拙僧は正直迷っている。彼の狂態は異常なものであった。こちらに牙を剥かないとは言い切れまい」


 ボリスの言い様は正しい。

 ここに長居はできない以上、京介を置いてくかそれとも連れて行くかという選択肢しかない。

 仮にも命の恩人である人間を放置していくのは心苦しい、だが危険があるかもしれない者を街へ連れ帰る事もできない。

 レイアは葛藤する。


 そしてその場をしばし沈黙が支配する。だがレイアはそれ以上悩む事はなかった。


「アー…?ギャ!いギィ…」


 バンッと飛び起きた京介は困惑したように辺りを見回した。

 目の前には白いのが三人だ。


 ――≪白いの≫ならば問題はない

 ―――≪黒いの≫は殺す


 ぎょろぎょろと京介はレイアたちを凝視する。その目から殺気や敵意というようなものが感じない事にレイア達は少し安心をした。


「怪我とかはしていない?助けてくれてありがとう、私はレイアといいます」


「拙僧はボリスだ。お主には助けられた、礼を言う」


 レイアたちはそれぞれ京介へ謝意を伝えるが、京介は少し首を傾げ、レイア達の言葉を理解しているようには見えない。


「お主、我らの話す言葉が分かるか?」


 ボリスが問うものの、相変わらず京介はきょとんとしている。


 そして京介はぐるぐると顔を動かし、何かを探すような様子を見せ、やがてある一点で視線が止まった。


「アー……」


 京介が指差す先はギャリーの剣。


「ふィー…」


 そしてそれ以上用は無いとばかりに京介は彼らに背を向け、迷宮の暗がりへ消えていこうとする。


「ちょ、ちょっとあなた!どこへいくの?よかったら一緒に街へ帰らない?」


 思わずレイアは京介を呼び止めるが、彼は一瞬立ち止まり、こちらを見て小首をかしげ、再び歩き出した。


 名前を告げぬままに去っていった京介に唖然としながらレイアはボリスと顔を見合わせる。


「剣を指差していたな。礼だったのだろうか?」

「…さぁ。でも、不思議な人だったわね…」


 これが京介と三人組の最初の邂逅だ。

 彼らはこの後、暗くおぞましい地獄のような場所で再び巡り逢う事になる。

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