早く起き不安

白川津 中々

早朝2時。

夜早く床に入ったためこんな時間に目が覚めた。夢の続きを見たいが再び目を閉じても嫌な気持ちになり鬱々となって眠れない。不安が強く悩みが尽きない。


現職に嫌気が差し転職活動を行うも全滅の昨今。いつの間にか年の瀬。今年も年末年始に働かなければならない。


最近頭が働かない。チームの人間の愚痴や不満が思考を奪う。解決できればいいがだいたいは人間関係について。俺がどうこうできる問題ではない。


彼らの言い分は分かる。世の中想像以上に変な人間が多い。至極真っ当な主張だし、どうにかしてほしいという気持ちも分かる。俺もどうにかしたい。けれど労働者は守られているから簡単にはきれないんだ。如何に社会不適合者であっても会社が守らなくてはならない。故に最低賃金、年休96日が許されている。逆をいえばそんな条件だからおかしな奴が多く戸を叩くのである。真っ当な人間は人間として生活できる仕事に就く。


ちなみに俺の時給は1300円。

形は正社員だけど、賞与もなく祝日も出勤。休みも飛び石。名目上、20名いるメンバーの上司となるが、管理職らしい事などできず現場作業がほとんど。無能さが露呈している。


世の中、今より環境が悪い仕事はごまんとある。けれど下を見てもしかたないというか、そもそもそんな仕事が許されている事が間違っているのではないか。資本主義め、殺してやる。


眠れない夜。不安を抱き文字を認め、6時に朝食を作り、8時に出勤。いつものクソみたいな日常が始まる。


何もかも自分が悪い。

分かってはいるが、より良い生活を求めてしまう。


死ねば助かるのに、生きたいと思う矛盾。苦しみの根幹はそこにあるかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

早く起き不安 白川津 中々 @taka1212384

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る