第三章 悲劇の始まり
その日も俺はいつものようにベッドから起床し、
リビングへと降り、いつものように両親に朝の挨拶をした。
『おはよう母さん。』
『おはよう俊也。今日は珍しく早起きなのね。』
『何か今日は目覚めがよくってさ。』
『そうなの。』
『顔洗ってからごはん食べなさいよ~』
『はーい。』
そう言われ俺はいつものように顔を洗い
朝食へと急いだ。
『いただきます』
今日も何も変わらない朝の風景。
いつものように朝食を食べ終わり歯を磨き、
制服へと着替える。
着替えが終わり、俺はいつものように家を出ようとしたところで、
母がいつものように俺に弁当を渡し、『いってらっしゃい』っと
俺を見送った。
いつものように俺は自転車を漕ぎながら辺り一帯を眺めた。
昨日と同じように車の長い列。横断歩道を渡る小学生。朝の風になびいている桜の木。
俺はその風景眺めながら学校に向かおうとした・・・はずだった。
それは突然の出来事だった。再び学校に向かおうとした途端、
俺の体全体に激痛が走った。
気が付くと俺は宙を舞っていた。『え?』俺は状況が呑み込めず下を
見ると、そこには折れ曲がった俺の自転車と黒い車があった。その瞬間俺の今までの出来事が頭の中を駆け巡った。小学校に入学した日。マラソン大会で1位を取った日。好きな子に振られた日。母さんと大喧嘩した日。大介や春華に初めて会った日。・・・そんな出来事を思い出しながら俺はふと思った。昔図書館でなんとなく手に取って読んだ本に走馬灯の事が書かれてあったのだ。その時の俺は『ふーん』としか思わなかったが、今になって分かった。本当に走馬灯はあるんだっと。
ああ・・・俺は今日死ぬんだ。まだまだやりたいことあったのに・・・
平凡な俺の日常が今日で終わるんだ・・・
俺はそのまま地面に叩き付けられた。
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