クリスマスに生まれたの。 🎄
上月くるを
クリスマスに生まれたの。 🎄
その子はイブの夜が明け初めたクリスマスの明け方、元気な産声をあげました。
大学病院の窓の外には雪が降り始めていて、静かなホワイトクリスマスで……。
――雪のように色白のお子さまですよ~!!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
純白のタオルに包んで連れて来てくれた看護婦さんの言葉が胸に染み入りました。
この子の未来が光り輝くものでありますように……若い母は無邪気に願いました。
🎄
それから赤子を中心にした生活になり、三年後、やはり色白の子が生まれました。
少しだけ歳を重ねた母は、やはり懸命に幸せに満ちたこの子の未来を祈りました。
💒
粛々と歳月が流れ、子どもたちの人生にも酸味や苦味、辛味が降りかかりました。
どうぞ幸福だけを……という虫のいい願いは、当然、却下されたことになります。
それでもいくつもの試練を越えて、それぞれの家族とひと筋の道を歩んでいます。
いまのところ巻きこまれていない戦争、どうかこれからもどうかと母は祈ります。
あれから何十年目かのクリスマスを迎え、来し方行く末に思いを馳せながら……。
この地球に人間を置いた神がおわしますなら、どうかその名において。アーメン。
クリスマスに生まれたの。 🎄 上月くるを @kurutan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます