第2話2 女将のレシピ(大学芋)

今年はサツマイモが良く出来た。

綺麗な紅色。

しばらく置いて甘みが増したら、甘く煮てみよう。

お義母さん、サツマイモの甘煮がお好きだから。


そう言えばと、ふと思い出した。


たまに寄られる不思議な旦那さん。

ここのところお見かけしないけど、お元気かしら。

いつも、ふらっとお見えになる。

始めの頃は勝手口にお土産が置いてあるだけだったけれど、いつの間にかおしゃべりをするようになった。

時々、京都土産だと美味しいお漬物をもってきて下さる。


ああ、そうだ。

今度見えられたら、この甘いサツマイモで何か作ってお渡ししよう。

甘煮だと日持ちがしないから、大学芋にしましょうか。


   ◇ ◇


サツマイモは大き目の一口大に切って、水に晒しましょう。

水気はしっかり切ってから、油を温めて二度揚げに。

ほら、カリカリになった。


絡める蜜は、砂糖に水を加えて、塩を一つまみ。

煮詰めてとろみがついたら、香りづけにハチミツを少し。

揚がったサツマイモが熱々のうちに、蜜を絡めて黒ゴマをハラリ。


まだアツアツの大学芋、冷めたら蜜もカリカリになる。

その頃、おいでになるといいのにな・・・。

でも、タッパーだと返すのが手間かもしれない。

返さなくていいもの・・・。

ああ。そうだ、そうしよう。


冷めた大学芋を、くるんとクッキングシートで包んだ。


※※※※※※※※※※※※※※※


写真はこちら。


https://kakuyomu.jp/users/9875hh564/news/16817330651177531969

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