第二章:十一話

「言葉って言われてもなぁ。難しくて分からないよ」


一人残された音楽室。俺はあっきーに言われた言葉を脳内で反芻する。けれど、やっぱりどうするのが正解なのか、分からなくて。夏川に伝えるべきなんて見つけられなくて。


窓の外に目をやると、辺りはもう一面夜の気配に覆われていた。来た時はまだ日が照っていて明るかったのにな。


呟いた俺の言葉は


その薄闇の狭間に


吸い込まれて消えていった。

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