あとがき「正しい自己愛について」

私が、この物語を通して伝えたいのは「正しい自己愛」です。

これはあくまで持論ですが、本作主人公、來未のように幼いころから「社会性」ばかり教育されてきた子は自己愛の形成方法が「他者から評価される」ことであり、つまりそれは「他者より優れた自分を愛す」ということになります。

例えば算数が得意で国語が苦手な人に自己愛を問うと「算数が得意な自分」と答えるケースが大半だと思います。資本主義による競争社会で、一概にそれが悪いとは言いません。

しかし本来、自己愛とは無償の愛であるべきで、算数が得意だろうと国語が苦手だろうとそのすべてを含めて自分を無条件に愛すべきだと考えています。

自分の存在は生まれながらにして尊いものである。という前提が自尊心を育む上で最も重要なことであり、その前提を自己の根底に定着させた上で社会性(この場合、他者からの評価されたいと思う心)を育むべきなのではないかと。

私は、日本人の自尊心が低さ日々感じています。私自身も低い日はとにかく低いです。消えたくなる日だってあります。そんな説得力のない私ですが、声を大にして伝えたい。

この文章を読んでいるそこの貴方へ。

生まれてきてくれてありがとうございます。そしてこの物語に出会ってくれて、あろうことかこんな最後の一文まで読んでくれて、ありがとうございます。それだけで私にとって貴方は価値のある貴重で有難い存在に他なりません。


また、本作における裏設定である「天使の自分」という世界観に関しては、「人間は孤独ではあるが、一人ぼっちなどではなく、天界から天使の自分に常に見守られていて、背中を押されている。」

そんな風に考えることが出来たら、背筋が伸びて、1日を大事に生きて、「私はもう一人の私から無償の愛を受けている」と考え、自己愛を育むきっかけになればいいなと思い、作った設定です。

まるで自分で思いついたかのように書きましたが、実は私が設定を作った後に友人に読ませたら「そういう風に解釈できる」といわれたので、「確かに!」と思って記載している次第です。

この作品は私が作った物語ですが未完成です。読者の皆様が手に取って読むことによって、この物語の余白を十二分に解釈し、完成させると思っています。だから私は私すらも想定していなかった解釈が生まれ、この物語が多くの形に分岐し、完成していくことを心から切に願います。

こういうのが肥大化して宗教ができたりするのでしょうか。宗教は別に作りたくないのですが、もしこの世界観を気に入ってくれたら、毎日そう信じて生きてみるのもいいかもしれませんね。


話は変わりますが、2023年3月25日(來未の誕生日と天使の來未の命日)には実際に香水ブランドzzzgooにて初の個展兼ポップアップストア(即売会)を開催しようと思います。

この物語を読んでくれた人と一緒に彼女たちを弔い、お祝いする日にできたらいいなと思います。

興味がある人は各種SNSを確認してください。


長くなりましたが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。今後もこのsceneA1の物語は様々な形で作品になって展開していくのでまたお会いできたら幸せです。





いびき虫

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SceneA1「手紙と10年」 いびき虫 @zzzgoo

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