第2話 友達
教室はザワついていた。
俺たちの学校『煌輝高校』は2年になる際にクラス替えが行われるが、3年になる際はクラス替えが発生しない。故に2年の時と同じクラスメイトなのだ。
なので今までの雰囲気と大差変わりない。
相変わらずの窓側の1番後ろとかいう漫画ご都合主義な席な俺は早速自分の席に行く。
カバンの中の教科書たちを机の中にしまい、1時間目の教科書たちを机の上に出す。
「お、今日の1時間目は現代文ですか〜」
そしていつものように俺の席にやってくる瑠璃。
俺は眠いのにこいつはなんで元気なのか不思議だ。
「そうだぞ。ちゃんと持ってきたんだろうな?」
「あったりまえじゃ〜ん。私だよ?」
腕を組んでドヤ顔するのはいいんだけど、当たり前のことなんだよなぁ。それに瑠璃だからこそ不安もあるっていうもんだ。
「はぁ、瑠璃だからこそ不安があるんだが?」
「むっき〜!失礼な!私だってやる時はやるもん!」
「そりゃあ知ってるけど……」
「おはよう2人とも」
「お、天音ちゃんじゃ〜ん!おはよう!」
「おはよう若林さん」
若林天音。黒髪ロングが特徴の清楚系かつクールビューティな女。俺の友達だ。
「朝から何言い合いしてるの」
「私しろーに頼りにされてないの〜 」
「士郎くんが正しいと思うのだけど?」
「冷たいっ!?」
とまあこんな感じで冷たい。会話になってるだけましな方だけれど。瑠璃と性格反対なのによく数年喧嘩もせずいれるよなぁと感心してしまう。
感心してると教室の空気が一瞬冷たくなった。ザワついていたはずの教室が刹那の瞬間シーンと物音一つしなくなる。
「奴」が来たのだ。教室のドアに釘付けになりその事実を認識したからこそ一瞬にして静かになった。
あろうことかその「奴」はこちらへとやってくる。
「おはようさん」
「おっはよう!りょーご!」
「おはよう前園」
「おはよう前園君」
前園亮吾。それが奴の名だ。ってさっきから「奴」ってなんだよ。
強靭な肉体に金髪強面男子。誰かを睨むようなその目は今日もみんなをびびらしている。
そんな見た目な彼だが、ヤンキー集団(100人)をたった1人で潰したり、薬物を売ってたり、背中に刺青がある、ヤクザとの繋がりがある等色んな噂がたっている。
もちろんこれらは嘘であり、根が優しいことは俺たち3人がわかっている事だ。
「朝からなんの話しをしてるんだ」
「それがさ〜私の事頼りないって2人が――」
「そりゃそうだろ?」
「やっぱりりょーごも!?」
とまあ、こいつらが高校でできた友人たちだ。
こいつらにプラスで今日から二個下の後輩が加わるって訳か……。おもしれぇことになりそうだな。
「しろー、今くっっそだっさいこと思ったでしょ?」
「思ってたとしても瑠璃より俺の方が頼りがいがあるからいいもん」
「最後までそのネタ擦る気!?」
2つ下の後輩ちゃんと 最上輪廻 @SaijouRinne
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