ある夜、追い詰められた少年ジンのもとへ、空から天使が落ちてくる――
天使は記憶を失っているのだが、何かの理由があって神から地上に落とされたそう。
その理由はなかなか明かされず、本作を通して謎の一つとなっている。
誠実な少年ジンは、天使から大きな力を授かる。
この力が本当に強力なので、読んでいてスカッとする。
しかしジンが立ち向かうのは、腐敗した支配層そのもの。
天使から授かった最強ともいえる力を持ってすら、手ごわいものだ。
本作の魅力は、圧倒的な天使の力を使う爽快なシーン、ジンを大切に思う幼馴染フローラの可愛らしさなどたくさんあるが、どこまでもまっすぐな主人公が、汚れきった社会に対峙する姿がもっとも胸を打つ。
果たしてジンは、神からも見放されかけた世界を救うことができるのか!?
物語の流れやあらすじは他の方がレビューしてるので、私は、もう少し踏み込んで、この小説のテーマについてレビューをかきます。間違っていたら、ご指摘ください。修正しますので。。。
ちょっと自信がありませんが、この小説のテーマは「闇」なんだと思います。心の闇、思考の闇、行動の闇。そんなすべての「闇」を「是」として受け入れた時に、人は、天使は、神はどう行動するか?という風に私は理解してこの小説を読んでいます。
人は「光」の感情だけでは、生きてはいけません。「光」があれば、必ず「影」が、「闇」があるのです。そして、その「闇」と対話をしながら、「妥協」をしながら人は生きていくのです。
そんな「当たり前」のことを、なんとなく読んでると感じるんですよね。そして、その「闇」を受け入れてるからこそ、直視しているからこそ、人は「光」を目指すんだ。というのが、この小説のテーマだと私は感じています。
第一章読了。
本作は苦境に陥った少年が天使と出会う場面から始まります。
苦労続きの主人公でしたが、天使だと語る少女との出会いで困難に打ち勝っていきます。しかしながら、不幸体質なのか主人公は常に逆境に追い込まれていき、その都度何とか乗り越えていくわけですが、天使との出会いがなければ今はもう奴隷となっていたに違いありません。
読者は困難に打ち勝つ少年に感情移入し、あの手この手で迫る悪漢たちから逃れられるよう手に汗を握ることでしょう。独特の世界観も読み進めるのに一役買っており、ページを捲る手が止まらないのではないでしょうか。
物語は第二章から旅立つことになるのですが、これから先どうなってしまうのか心配です。何しろ主人公は事あるごとに困難に直面してしまうのですから。
かといって、慕ってくれる仲間と付き従う天使が彼にはいます。壮大な旅が無事に済むようにと願わずにはいられません。
今後の展開に期待が膨らみます。
お勧めの作品です。
「魔術」を教える学園の落ちこぼれの少年が、落ちこぼれのゆえに借金まみれとなり、世をはかなんで……というところからの、天使――少女――との邂逅。
天使という、人を越えた力を持つ者との出会いは、少年の運命を変えて――されど、少年の意志は、人や物事に対する気持ちは変わらず、むしろそれこそが少年に、天使からの「力」をもたらして……。
まだまだ始まったばかりで、開示されていない情報もありますが、題名などから察するところ、この物語の「世界」は壊れかかっているらしい様子。
そういう状況で、何故、天使は地上へ降りて来たのか。
その天使は、何故、何も覚えていないのか。
そして暗躍する、「世界」の軍上層部……。
それらの「闇」を、少年は――ジンは切り開いていけるのか。
……これまで述べて来たとおり、「何故」が多くて、この物語は始まったばかりです。
だからこそ、まだ何もわからないからこそ、今、この物語を読んでみませんか。
きっと、わからなかったからこそ味わえる、これからのワクワクがあると思います。
現在進行形だからこその、ライブ感マシマシで。
ぜひ、ご一読を。