第13話 これは脱ぐしかない

「ここですね、入りましょう」とファルツ。

俺達はバローロを先頭に迷宮へと入る。

「確か1層はスライムが数匹らしいですね」と

ファルツが言うので

「それ大したことないんじゃねえか?」と俺。

全員が笑う。「余裕ですね」と。

「あ、でも倒した時に飛び散る粘液には気を付けないと。

 装備が溶けてしまいますからね」とファルツ。


授業で習った事がある。スライムは、まぁ前世で言う所の

夏祭りによくある水風船の様な感じだ。

倒すとはじけて中身が飛び散る。それが粘液であり

何故か布系のモノを溶かしてしまうのだ。人体には

それほど影響はないが「ピリピリ」するらしい。


階段を降りると、というか降りる前にバローロが

立ち止まる。

バローロが生唾を飲み込む音が聞こえた。

「こ、これはちょっと。どうかとおもうぞ」とコルン。

目の前には

約20畳ほどの広さの部屋にびっしりと、そうびっしりと。

腰ほどの高さまで埋め尽くされたスライム達が居た。


「何匹いるんだよ!数匹じゃねえのか!」と少し興奮気味の俺。

階段を降りる前に相談する俺達。

取りあえず手前から魔法で少しずつ討伐する事とした。


「ロックダーツ」


ファルツは低級土魔法で攻撃する。・・・がっ!

「ひぃい!」と声がする。

「掛かった!少しかかった!」と大慌てのファルツ。

見てみるとファルツの装備の太ももの辺りが

『シューシュー』と音と煙を上げて溶けている。

約10センチほどの穴が開いてしまっている。


「こ、これはヤバいな。」とファルツ以外全員。

「はい、少しかかっただけでこれです。よかったですよ、

 古い装備で」とファルツ。

「い、いや、そうじゃなくてだな。その・・・。

 その穴からチラチラと見えるんだよ。アレが」と

ファルツ以外全員。


「なんでパンツ履いていないんだよ!」と俺。

「合うのが無いんですよ!」とファルツ。

「じゃあなにか!お前はいままでノーパンなのか!だったのか!」

と俺が聞くと頷くファルツ。

何故ファルツがローブ装備の魔法使いなのかわかった気がした。


「チラチラも何も俺達全員の見てるのにな」とコルン。

「あれだ。もろに見えてるよりも、ちらっと穴から見えるのでは

 こうも違うんだな。」とバローロ。

「なんかドキドキするよな、するよな?」と何故か笑顔のコルン。


「これさ、まぁ掛からないように攻撃しても粘液は

 残るんだよな。多分、床は石畳だろうし。」と俺。

「やっつけても粘液の池になるでしょうね」とファルツ。


「わかった。脱ごう。」とバローロ。

バローロは装備を全部脱ぐ。

「アスティ、アイテムボックスに入れておいてくれ」と!


そして剣1本持ちスライムの中にダイブした!

「ぬをおおおおお」と剣を振り回すバローロ!

「な、なんか!体がピリピリする!というか、なんか

 ヌルヌルもするぞ!」とバローロ。


「バローロだけに苦労はさせられない!俺達も

 脱ぐぞ!」と俺。


そして俺達は全員脱ぐ!そしてスライムの群れにダイブする!

「バローロ!お前だけに苦労はさせられない!」とコルン!

バローロを見ると何故か『苦労』と言うよりも

結構楽しんでいた。


「なんだこれ。」といいながら俺はスライム粘液を腕に塗ってみる。

「こ、こりゃあ!アレじゃねえか!」と思っちゃったのである!


ローションじゃねえか。と。

挙句にいい感じでピリピリして何気に気持ちよかった。


「アスティ!こっちに来てくれ!」とバローロが慌てて言ってくる。

「どうした!今行く!」と俺は慌ててバローロの所に向かう。


「大変だ。」とバローロ。

「どうした」と俺。


「お前だから言うが」と言うと粘液を手ですくう。

「これをだな、この俺の御子息に塗るだろ?そしてこう、

 ほら。こうするとだな。めっちゃ気持ちいいんだよ」と!


「そりゃあ気持ちいに決まってるだろう!御子息に

 ローションを塗って手でご子息を

 『いい子いい子』あげるんだから!」と俺。


「なんか、アレだ。ファルツのに塗ってみたいんだが」とバローロ。

「片手では無理だから、こう。両手でしてあげんとな!」とも。


俺達はファルツを見ると何故か御子息がご立派になっていた。

どうやら、ちょうど御子息の先端がスライム粘液の池に当たるらしく

そのたびに『元気に起っき』しようとピクピクしたらしい。

そしてちょっと気を許したとたん、そうなったらしい。


「塗ろうか?」とバローロ。

「せんでいいわ!」とファルツ。

「いや、そのままだとこっちの気が散るんだよ!」とコルン。

「もう折角だから一回いっとけって!」と俺。

「実際俺も若干ながら気が散ってしまう!デカすぎて!」とも。


「よし俺が塗る!」とコルン。が!滑って転んでしまう!

「何やってるんだよ!」と俺は起こそうとするがっ!

俺はコルンと体を合わせる様に転んでしまった。

前身がローショ・・・いや粘液まみれとなってしまう。


バローロを見るとファルツに、いや、ファルツの御子息に

粘液を塗ろうとして対峙している。


「ば、ばか。体動かすな!きもちい・・・いや!ちがう。

 と言うか縋るな!」とコルンに言われる俺。


俺はコルンに縋ろうと肩のあたりに腕を回していたが

滑ってズルっとそのまま体が沈んでいく。


するとどうだ!俺の面前にコルンの御子息がっ!

ってか、なんで元気になってるんだよ!とも思ったが・・・。

「ぬを!」と声を出したとたん。そう。声を出すと口が開く。


カプッ


俺の口の中にスライムの粘液と同時にコルンの御子息が

迎えられた瞬間だった。




 















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