レンジさんらしい、ザ・レンジな短編、堪能いたしました。
SFと社会問題提起とどんでん返しと、序盤に提示された「かわいい女の子」の回収の鮮やかさ。
きれいごとだけで終わらせない、現実の苦々しさを充分に味わわせつつ、開かれた第二のステージへのアクセスを彷彿とさせる開放的な読後感。
素晴らしいです。
素晴らしいです……!!
作者からの返信
読んでいただきありがとうございます。『グラスシューズ』が繁盛して終わるのが一番のハッピーエンドなのでしょうけど、新しいことほど反射的に反対する人もいる世の中なのでこんなお話になりました。彼女たちの挑戦はどこに向かうのか。一つ言えるのは、いつかきっとこの挑戦が報われる時が来るだろうということです。どのような形であれ。
拝読いたしました。むずかしいテーマを真正面から創作のなかで取り上げておられる点、大変なことだと思いながら読みました。白か黒かでない結末も、いろいろなことを悩まれた末のものなのではないかと推察いたします。
短編で終わらせるには惜しい物語だと――苦労も知らず、無責任ながら――思いました。それぞれの「アクター」たちがどんな思いで〈グラスシューズ〉に辿り着き、生きていったのか、もっと見てみたい、そんな風に思わせる作品でした。
作者からの返信
読んでいただきありがとうございます。おっしゃる通り、本編では登場人物たちの背景はごくわずかしか描かれていません。長編にするかどうかはわかりませんが、さらに読んでみたいと思えてもらえたのなら光栄です。
編集済
金持ちは争わないと言います。では、貧しき者たちならば争うのか?
御作はそんな不自由を持った人たち同士の対立に終始せず、不自由を克服するために市場にうって出る――資本主義社会の一つの古き良き理想を描いていて良かったと感じました。
会社が成功して、持つ者となったとき、彼らが果たしてどのように生きるのか、少しだけ気になります。
作者からの返信
コメントありがとうございます。本作の元ネタの一つに『分身ロボットカフェ』というのがありまして、そちらも障害を持った方がロボットを遠隔操作して接客してくれるカフェなのです。福祉的な支援だけでなく、利益を伴う持続性を持ったうえで自分たちが積極的に社会へ出て行こうとするこの試みに自分はとても感動しまして、それが本作の執筆に繋がりました。資本主義はいいことばかりではないですが、うまく付き合うことができれば社会を前に進められる仕組みだとも思っています。
以前よりツイッターでセクサロイドのお話をされているのを拝見していて、読んでみたい欲半分、読むのがこわいのが半分という感じだったのですが、いざ拝読して、ああ読んでよかったなと思いました。ご不快にさせてしまったら申し訳ないのですが、SF的なメガネを通して今生きている時代を見ることができ、そこに創作者の苦闘の軌跡を知ることができるのは読者として得難い経験です。返信は奇跡的に気が向いたらで構いません。良い作品を読ませていただきました。
作者からの返信
奇跡ではないですが返信させてください。読んでいただきありがとうございます。
お察しの通り、本作も多大な無力感に苛まれながらの執筆だったのでどうにもスカッとしないお話だとは思うのですが、お楽しみいただけましたら幸いです。
何重もの差別が描かれてた点が興味深かったです。障害者差別、職業差別、障害者「内」差別、性差別。
暗黙の搾取、と言い換えることができるかもしれません。
そこに現代社会を反映したリアリテイがあった分、その解像度をもう少し深め、問題提起に終わらないで欲しかった、のが率直な感想です。
(ちなみに私が本作のテーマについてもう少し読みたいと思ったのは以下の場所にあります)
・店には重度身体障害者や難病の演者の障害者しかいなかったのか否か。
・脳波で操れる高度なアンドロイドが存在しながら、障害者が性産業にしか従事せざるをえない社会である明確な理由。
・演者の賃金は人間の性従事者(がいるとすれば)に支払われる対価とは同等なのか否か。
・生産性(経済的・生物的)はこの社会でどんな意味を持つのか)
なかなか難しいテーマですが、この辺りがSF読みとして気になりましたし、考えさせられる良作だと思いました。ありがとうございました。