よう、がんばったない 🥕
上月くるを
よう、がんばったない 🥕
ある晩、ドラマを観ていた橙子さんから、とつぜん、噴き出たものがありました。
そうそう、わたし、これを……この言葉を求めていたの、ずうっと待っているの。
――よう、がんばったない。(´ω`*)
いろいろあった前半生を乗り越えて来た、シニアのむすめを福島弁で慰める老母。
たったひとりでいい、こうして認めてくれる人がいたらどんなに救われるだろう。
父は早くに亡くなり、母も一昨年旅立ち、叔父や叔母たちも、年上はだれも……。
よくがんばったね、橙子さんが励ます人は大勢いても、認めてくれる人、いない。
🤗
わたしたちの気持ちはね、その歳にならないと分からないわよ。(*'ω'*)
人生ってそういうものだし、順送りだから仕方ないんだけどね。(^▽^;)
かつて先輩たちに言われたときは、申し訳ないことにほとんど胸に響かなかった。
あのころの先輩の年齢になってみて、はじめて本当の意味が理解できたと感じる。
わたしが歩んで来た道を知っていてくれる人たちが、どんどん少なくなる心細さ。
「よくがんばったね~」頭を撫でてくれる人は、もういないのだ、この世には。💧
🐅
立ち去る一年を振り返る大晦日には、この厳粛な事実がいっそう胸に迫るのです。
新年が明けたからといって、亡き友人知人が帰って来るわけではないけれど……。
さて、今夜も花柄カバーの湯たんぽと一緒に眠りにつきましょう。「去年今年海のきはまで星満ちて 前田囁子」「天窓を過ぎ行く星座去年今年 片山由美子」🌟🌌
そんな橙子さんをいつも温かく励ましてくださったのがカクヨム仲間のみなさま。
今年一年たいへんお世話になりました、来年も何卒よろしくお願い申し上げます。
よう、がんばったない 🥕 上月くるを @kurutan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます