63話 それぞれの結果 (1)
20区 カイロベル───
ベルルは300万の札束を袋に入れてイーサンの屋敷の前にいた。
今度はベルルは屋敷の門を音を立てて開き前に進んでいった。
狼達はベルルに襲い掛かろうとするがベルルは
ベルルは玄関の前に着くとインターホンを押す。
中から慌ててエララリラント・サウザンドが出て来る。
「死にたいのか?ベルル!──お前、なに
「分かってるよ狼に食われないためだ」
そう言うとベルルは
ベルルはそのまま二階に進んでいく。
イーサン・コヨーテがベットの真ん中に座りこちらを見ていた。
「ベーちゃんのインターホンがうるさくて起きちゃった」
ベルルはベットに300万の札束が入った鞄を投げる。
「これで終わりだケジメは取る」
イーサンは鞄には目もくれずにただじっとベルルを見ていた。
「……ベルルベット。お前の20区での島は全部没収だ。それに俺のグループからも追放だ。お前は今日から
ベルルは何も言わずに頭を下げてイーサンの部屋を後にする。
エララリラントが笑いながらベルルを見ていた。
「終わったなお前。今度から俺に敬語使えよ?
ベルルはエララリラントの目を見て笑った。
「終わってねえよ。俺はここからだ」
ベルルはそう言って屋敷を後にした。
ベルルは屋敷の前に停めていた馬車に乗り込む。
そこには久蛾と蚊神がいつの間にか座っていた。
「利息の返済日だ」
ベルルはため息をついて久蛾の下にある鞄を指差した。
久蛾は鞄を開けると中を確かめ始めた。
それを見てベルルは蚊神の向かい側の席に座った。
運転手は走っていいかどうか迷っていたがベルルが手を動かして行けと合図を出したので馬車は動き始めた。
「ヴェニスはお前らの仲間か?」
蚊神は睨みながらベルルに尋ねた。
「違う」
ベルルは即答だった。
蚊神は少し目を大きくしながらも質問を続けた。
「セイレンを誘拐したのはヴェニスが考えたのか?」
「全く違うあれは俺の考えだ。ヴェニスはその後に誘ったお前らの足止めとしてな──条件付きで」
「条件付き?」
「俺は最初、セイレンを殺してその身体少しずつお前らに届けようとしてた──でもヴェニスが言ったんだ。セイレンに手を出すのはダメだと。拷問も怪我させるのもダメだって言いやがった。もしそんなことしたら俺らのことをジェラートファミリーにチクるって脅しやがった」
蚊神は驚きを隠さなかった。
「……信用できねえよ。だってあいつは」
「ヴェニスはこう言ってた。まさかこいつが裏切るなんてって顔が見たいとか何とか。でも一線は超えないとも言ってたな──多分セイレンを殺すことはあいつにとって一線が超えることだったんじゃねえのか?」
蚊神は頭を抑える。
「俺には意味が分かんねえよ」
「まあ嘘は言ってない。嘘だってバレたら俺はこいつに殺されそうだしな」
そう言ってベルルは久蛾を指差す。
「ベルルベットお前これからどうすんだ?ちゃんと利息払えるんだろうな?」
久蛾は札束を数え終わるとベルルに尋ねた。
「お前らがしたバアルリンでの悪事を揉み消したのにチャラにならねえのか?」
「ならない。目処はないのか?」
「……21区は俺の世界だ。表立って商売はできねえがそれなら裏でやるだけだ──俺はまだ終わってねえ」
「………21区で降ろしてくれ」
そう言うと久蛾は蚊神の肩を叩いた。
バアルリンに着くと蚊神と久蛾は馬車を降りた。
「ベルルベットの言ってることは多分嘘じゃねえと思うが気になるなら空木、お前には
久蛾は鞄を肩に掛け直す。
「…そうか確かにそうですね」
久蛾は鞄を少し開けて札束を一つ蚊神に渡した。
「それにちゃんと花でも渡してセイレンに想いを伝えて来いよ。俺は……近くで見てる」
蚊神は少し笑った。
「どんな花がいいっすかね?」
「そりゃあでけえ花がいいだろ。俺も一緒に探してやるよ」
そう言って二人はバアルリン騎士団の本部に向かった。
──────────────────
第2章!!
次でラストです!!
蚊神の恋心はどうなるのか?
ヴェニスやゲーテは一体何者なのか?
第3章の中身を少し話しますと……
第3章は蚊神が異世界に転移してすぐの話です!
どうやって能力を手に入れたのか?
ヴェニスとゲーテとの出会いは?
イマーゴ共和国ではない。
違う国の話なので少し新鮮かも知れません!
構想は考えてあるのでお楽しみに!
闇金転生 左右ヨシハル @Yoshiharu__Sayuu
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