ごくマイルドな仏教徒としては、一神教の苛烈な「正しさ」と、そこに生まれるひずみ的な物は想像を絶してるのですが、こうして物語の形で拝読してみると、やっぱり想像を超えたところにあるよなあ……という思いを新たにします。
自分でも島原の乱絡みのクリスマス話だの16世紀中米でのラス・カサス司祭の話だの書いてますけど、毎回きちんと書けた感がなくてのたうち回ってますしな……。
なにはともあれ、よいものを読ませていただきました。
作者からの返信
お読みくださり、ありがとうございます!
巨大な「正しさ」には、大きな秩序と、負けないくらいの大きな犠牲がセットでついてくるのだろうな、と言う気がしています。正しさという光と、犠牲者という闇と。仏教も一部はその形で先鋭化していましたが、大乗になってだいぶマイルドになってくれましたね。もう少し仏教にも踏み込んでいきたいです。(まぁ四世紀中国の、にはなってしまいますがw)
信仰とひとというテーマはなかなかに大きい代物ですが、懲りずに追っていきたいものです。そして五色さんの作品にもまたお邪魔させて頂きます。
うぉぉぉぉぉ!!! とても熱く、気高く、そして厳かで美しい物語を読ませていただきました!!!
お話とは全然関係ないけれど、私の地元は明治時代にカトリックの弾圧・信者の拷問などが起きたところなどで、このお話は時代・地域ともにかけ離れているけれど、とても近しいものを感じてしまいました。時や場所がどれほどかけ離れていても、人の心は変わらない。拷問されても棄教せず死んでいった人の中には、エルナンドのような想いを抱いた人がいたかもしれないし、弾圧した側にもサウロのような想いを抱いてその後の人生を生きた人がいるかもしれない、と。
本当に良いものを読ませていただきました。ありがとうございます<(_ _)>
作者からの返信
こちらこそ、ありがとうございます!
エルナンドのように、命を賭しても貫きたい想いを持てるといいよなぁとは思うのですが、なかなか実現は難しいところですよね。どうしてもサウロのように「折れて」しまう気がします。
キリシタン弾圧は、多くの人を極限状態に追い込んだでしょうね。そういった状態は、物語でだけ消費していたいです……もうこれ以上現実では起こって欲しくない。いやもういまのロシア兵に突き付けられてるような状態ですが……
>その上でなお、彼らは哀悼の意を隠そうとしない
ここにぐーーっときました。みんなエルナンドさんが大好きだったんだなあ……
兵長がここで過激なやつだったら良かったんですけど、エルナンドさんに救われていたこと、深みのある人柄だったことがものすごく胸にくるんですよね。
ぐうううう……
作者からの返信
どうにかなる結末はなかったのかとは思いますが、とはいえ決定的に対立してしまっているイデオロギーのはざまで、個人に何ほどのことができるのだとも思いつつ……
と、つきももこはるさんよりのコメントを拝見していて、自分が語りたい確かな柱のひとつに「価値観が違ったときに、その違いを否定しないまま、お互いに尊重し合えるようになりたい」があるのだな、と感じました。幼い理想論だと言えばそれまでですし、そうした歩み寄りの敗北をまさしくこの物語では書いているわけですが、それでも、どうにかこう、と思わずにおれず……自分の中の青い部分を改めて自覚できました、もっと鮮やかな青さにしてやろうと思います! 重厚なレビュー共々ありがとうございます!