5時から11時!

青空一星

いい夢見よう!

 最近僕には悩みがある。夜、寝られないのだ。


 普通の人は電気を消して布団に入り、瞼を閉じるといつの間にか眠っているらしい。僕にはそれがない。幼い頃はあったはずの当たり前の"健康的な生活"が無くなってしまったのだ。


 あの頃は夜の10時には必ず布団に入って眠っていたし、早朝5時に起きることだって頑張ればできた。


 それが今となっては早朝5時に寝て昼の11時に起きる生活。頑張って起きてもずっと眠くて全然集中力が働かない!夜になれば自由時間だと元気になって、いつの間にか早朝5時。今から寝れば明日は遅刻、かと言って寝なければ辛いのは必然。結局遅刻が怖いので徹夜する。負のサイクルの成立だ。


 聞いてほしい、僕だって努力しているんだよ?


 布団に入ろうとするのは夜12時だし、やらなきゃいけないことも結構やってる、それにお菓子だって我慢できる時は食べていない。


 そりゃあ寝ようとする間近にスマホは見るし、風呂入ってかなり経ってから寝ようとしたりもする。友達が夜ふかししてたら混ざりたくもなるけども、努力はできてる…はずだ。


 だというのに「いざ布団に入った時刻は深夜2時。アラームかけて、目も閉じた。さぁ入眠バッチコイ!」そんな時でも眠れないのだ。


 これは流石におかしいと分かった。さては僕のせいじゃないな?と


 そうだそうだ、人間は寝なきゃ死んでしまうんだ。いくら昼寝をしてたってサイクルが成り立つはずがないじゃないか。人は夜寝て朝起きる。それが夜起きて朝寝る?馬鹿馬鹿しい。そんな幻想は足の生えた鮭が居でもしない限り信じてやらないね。


 そう、だからもう1つ考えたんだ。「実は僕は寝ているんだ」ってね。夜の12時、布団に入った時に僕はもう寝ているのさ。じゃあいつ起きたのかっていうと、皆も昼間に眠たくて目を閉じる時があるだろう?あの瞼を上げた時、実は起きているのさ。


 流石僕だ。毎日ちゃんと寝てるだけあって冴えてる。そんなわけで本日も早朝5時を迎えているわけさ。もちろん今日も布団に入って目を閉じた。つまり寝たってこと!いくら頭の中がゴチャゴチャ無駄に回って入眠できなかったって思い込んでいたとしても、実は寝ているのさ。もう分かったからには怖くない。


 眠ってるんならいくらスマホ見たっていいはず!溜まったこともやっていいはず!やりたいことを存分にやってもいいはず!だって夜はそんな夢の時間なんだから!


 そうさ、こんなに眠くたって寝ているはずなんだか ら───



 …ったく、いつまで起きてやがんだ。やけに今日はしつこかったな。


 俺かい?俺は夢を喰らう者ってとこかな?人間1人に1人ずつ付いてるもんなんだが、夢を喰らう代わりに夜の安眠を約束してやってんのさ。


 夢にも旨さがある。寝る時の感情・思ってることが良ければ良いほど旨くなる。面白えことばっかり思いながら寝る奴に付いたんならウハウハだろうな。


 つまり俺は残念な奴に付いちまったってことだ。


 こいつの夢は旨くねぇ。寝る時ずっと明日のことうだうだうだうだ嫌な方へ考えてやがる。そんな奴の夢が旨ぇわけがねぇんだわ。



 ガキの頃は旨かったのになぁ

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