瀬戸夏輝は、ある日、神の眷属である白蛇を助け、「現世(うつしよ)」の世界へ足を踏み入れてしまいます。
普段いる世界「常世(とこよ)」と「現世」は、どちらが古いとか新しいとかではなく並行して存在すると言われているそうです。
この「現世」見た目は普通の田舎で、夏輝は学校にも通うようになるし、友だちもできる。こういう設定は新鮮ですね。
善行を積むことでいつかは「常世」に帰れるかもしれないと聞き、夏輝は白蛇のつづらに貰った神力を使って、恐ろしい妖怪や物の怪と戦います。
だけど、安心してください!
ミーミーと鳴く、白いふわふわした物の怪もいますし、白蛇のつづらもいじらしくて可愛いです。
作者の言葉をお借りして、
ほのぼのラブコメあやかしバトル!
不思議な世界をぜひお楽しみください。
主人公の夏輝が迷い込んだのは「現世」と呼ばれる並行世界。
彼が様々な困難に見舞われながらも、人や物の怪との交流を通して成長していく和風ファンタジーです。
ファンタジー作品の難しい部分として、何よりも世界観の描写が挙げられると思います。こちらの作品はその見せ方が非常に上手だと感じました。
作中に登場する単語や固有名詞からも作者様の造詣の深さが滲み出ているのですが、それらを分かりやすく噛み砕いて落とし込んでいるため、読んでいてとても心地が良いです。圧倒的なホスピタリティ。
あんこ大好き巫女の美月さんや、ツンデレの巴くんなど個性豊かなキャラクターも見どころですが、色々な場面で描かれている食事描写も魅力的で、夜中に読んでいると不意打ちで空腹が刺激されてしまいます。
物の怪と幻想的な世界観が織り成す和風ファンタジー、是非とも一読して頂きたい作品です。