#3 御守り奉製プロジェクト
次の日の夕方。
俺が
「
「白魂の形の根付とかどうかな?
「おじいちゃんがご
「それなら良かった」
「材質は白い
「それ、いいアイディアだと思う」
白魂達がミーミー鳴きながら、美月さんにすり寄ってきた。
「ふふっ、白魂ちゃん達。くすぐったいです」
「ちっ、あざとい奴らめ……」
俺達二人が盛り上がっている間に、つづらがとぐろに頭を
「どうしたんだ、つづら? 黙り込んだりして」
「……どうせボクはただの白蛇だよ」
「はっ! つづら様……」
「ごめん、俺が悪かった。つづらの御守りも考えるから機嫌直してよ」
すぐにでも発注したい所だったが、千鶴子さんにまずは
⛩⛩⛩
早速、業者から届いた
「どうしましょう。まさかの予算オーバーですね」
「どこでどう間違って
「美月さん。もしかして天然石高いやつ選んだ?」
「はい。つづら様と白魂ちゃんの可愛さを最大限に引き出したく、品質のよい石を!」
「可愛さに目がくらんだらダメだよ。無料配布の根付なのに通常の御守りよりも高いんじゃ大赤字だ」
「すみません。ただ、安い翡翠を使っても、結局彫刻費用で総額が上がるみたいです」
美月さんが
「そうか彫刻費用は
「夏輝くん。プラスチックはプラスチックで、最初に
「先が思いやられるな……」
⛩⛩⛩
翌日の休み時間。
「あっ、
突如、美月さんが三つ編みヘアの優しそうな丸顔女子──
そこには、うさぎの形のマスコットがぶら下がっていた。
「
「すごくよく出来ています。ちりめん
「そう、ちりめん細工。おばあちゃんに頼んで、蓬莱さんの分も作ってもらおうか?」
「い、いいんですか! 私なんかが
美月さんの
我に返ったらしく、美月さんが顔を赤らめてうつむいた。
「いいよー。うちのおばあちゃん、
村椿さんの言葉に、
「それだ」
俺は席を立ちあがり、美月さんと話している村椿琴梨の所へ歩いて行った。
「村椿さん。君のおばあちゃんを俺に紹介してくれないか」
⛩⛩⛩
放課後、俺達は
洗剤の香りが
客に商品をゆっくり見てもらおうと美しく
ぬい子さんが眼鏡の角度を変えながら、御守りのデザイン画を見つめ、やがて申し訳なさそうに首を振った。
「話は聞いたが、神社さんへお出しできるような
村椿さんがショーケースの上に身を半分乗り出して頼み込む。
「そこを何とかお願い。おばあちゃんだって、前に『
「
俺は熱心に
「あんたさんの言うこともよく分かる。けれど、人様にお出しする以上、
美月さんが俺の顔を見た。
今は無理ですからいったん
俺は
「無理なお願いをしてすみませんでした。でも、いつか気が変わることがあれば、ぜひお願いします」
⛩⛩⛩
「
「
「そうですね……おじいちゃんに
巴の言葉に、美月さんも
「いや。ああまで言ってしまった以上、もう少しだけ粘りたい。
「ナツキ、頑張れ」
背中の辺りから
「ありがとう。俺、もう少し頑張ってみるよ」
巴の唇がふっと
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