#10 いつか羽ばたくその時まで
⛩⛩⛩
ユメミサマの
小学校の先生だというお母さんは
二人の後ろに、少し
俺と
「我が家のごたごたに、
「お二人とも頭を上げてくだされ。それよりも、巴くんが遊びに来てくれて
「有難うございます。うちで
巴の叔父さんが頭を下げると、ぱんぱんに
中には、キャベツにアスパラガスに
⛩⛩⛩
日曜日。今日は
お祝いの赤い晴れ着を
「
「お待たせしてすみません。行きますよ。はい、ポーズ」
俺は、慣れない手つきでずしりと重い一眼レフカメラを両手で
俺の隣で巴がでんでん太鼓を使って赤ちゃんの注意をひきつける。
巴も今日はお手伝いということで、月姫神社の
赤ちゃんを中心に、スーツを着こなした風祭さんの息子さん、着物姿のお嫁さん、風祭さん夫婦とお嫁さんのご両親。
両側に
「ナツキ。レンズカバーが付いたままだよ。それに、ファインダーを
つづらが言った。
「ファ、ファインダーって何だっけ」
「カメラに小さな
肩の上のつづらの
白蛇に機械の使い方を教えてもらっているという
「おいおい、しっかりしてくれよ。真っ黒の記念写真が撮れるところだったぞぉ」
風祭さんの声で一同が笑い出す。
風祭家の皆さんの自然な笑顔を狙って、何枚もシャッターを切った。
その時、大量の
「やめろ。お前達が写ると
「そうじゃ。
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無事お宮参りも終わり、笑顔で帰っていく
「
巴がでんでん
「守られなければ生きていけない危うさがあるよな。そりゃ
「お宮参りも
宿禰さんがそう言った時、一匹の
今は護られてばかりの無力な赤ちゃんも、いつか
その小さな体には、俺達の
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──一週間後の帰り道。
「今日は僕の家で遊んでいかないか?」
「今からですか?」
「どうしたんだよ、急に」
「
「いいのかい、トモエ。ボク、高級玉子の
「わぁ……夏輝くん、どうしましょう。よもぎ団子におしるこですって」
「待って。これは
俺は隣で目を輝かせているつづらと美月さんを片手で制し、巴にずいと迫る。
「どういう
巴が気まずそうに俺の視線をかわす。
「さ、
「あら。困りましたね。クスノキならぬ、
「そりゃ近所から
巴の家の前のクスノキに、何百と
俺は少し考えてから言った。
「逃げるが勝ち」
つづらを連れて
「ごめんなさいっ、巴くん」
その声に振り向くと、美月さんが慌てて走り出すのが見えた。
「ああっ、みんな。待ってよ。友達だろぉーっ!」
夕焼けの色を帯びた空に、巴の
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■第5章、完結です。最後までお読みいただきありがとうございました!
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