#6 多勢に無勢
「ユメミサマが
「いや。その結界に入るのは取り囲まれてどうしようもなくなった時だ。俺は、この
「私も
「でも」
「黒餓鬼達は
「──僕の家の問題なのに、巻きこんでしまって本当にごめん。
巴が目をぎゅっと
とにかく、ユメミサマが目覚めるまで、巴を
つづらが俺の肩に飛び乗ると同時に、俺と美月さんは広間に向かって走り出していた。
広間に押し寄せた黒餓鬼たちの数は、さっきよりも
がりがりの
知能が高いようには見えないが、いかんせん数が多すぎる。
短時間で数を増しているのは、
となると、その
右手につづらの
白く輝くその力で、
右から飛びかかってくる黒餓鬼を左に
「ナツキ。神力を強めたから、もう少し速く
「つづら、これ以上は無理だ。それに、向こうから新たな
美月さんが俺の隣に並び、粒状の何かをざっと
美月さんの撒いた何かを踏み越えようとする黒餓鬼達だが、
「美月さん。それは?」
「
美月さんの言った通り、少し時間が経つと切幣が煙を立てて黒い灰と化した。
再び、黒餓鬼達が飛び掛かってくる。
一呼吸してから、態勢を立て直す。
右へ左へ、さらに祓う。
「ナツキ。上っ」
つづらの声に驚いて顔を上げると、天井近くまで高く跳んだ黒餓鬼が俺めがけて
思わず目を疑った。黒餓鬼の背中に羽根が生えている。
「跳べる奴までいるなんて聞いてないよ!」
右からも来るのに、どっちを先に祓えばいいというのか。
その時、美月さんが、切幣を袋ごと
「ぎゃっ」
羽根黒餓鬼達の肉が焼ける匂いがして、煙が立った。
「上から来るものは私に任せてください。
「分かった」
美月さんが金色の扇を取り出して、上から
いつまでこれが続くんだろうか。
段々と、俺は心配になってきていた。
俺が不安に
「危な……!」
その
そのタイミングを狙って、
「ぎゃっ」
耳をつんざくような
しかし、続く数十匹が
「
俺は美月さんを
「
「大丈夫。俺とつづらで何とかする。美月さんはここで体を休めていて」
それだけ言うと、つづらを連れて走り、
白木の箱を抱えて、
そこまで、
無意識に左手に神力を
「ナツキ。左手からも神力が
「たった今、できるようになったみたいだ」
「すごいじゃないか」
俺は両手を光らせてみせる。
「結局力の
しかし、
次に来る
相手の
だんだんと目がかすみ、肉体が疲れてきたのが分かる。恐らく次は、精神をやられるだろう。
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