#4 ユメミサマと生贄
「しかし、巴くんが友人である私達を
「いや。奴ならやりかねない。俺達を
俺はわざと
「もう。
「ごめん」
冗談を言っているのに気づいた様子の美月さんが
「ユメミサマか。
つづらが言った。
「民間信仰?」
「トモエの家は、
美月さんが言葉を
「先ほどの話に戻りますが、巴くんは中学の時に良からぬものを
「確かにそうだ」
「三人ともどうかしたの」
声がして振り向くと、巴が後ろに立っていたので、心臓が飛び出るかと思うくらいびっくりした。
「うわっ! で、出た」
「何だよ、人を
「と、巴くん。ところで最近、悩んでいることはありませんか。例えば、おうちの仕事のこととかで」
美月さんが
「悩み? 特にないけど。何で急にそんなことを聞くのかい」
「ええと。そ、それは」
美月さんが
「ほ、ほら。さっきさ、お前が電話で
「
「そうか。それなら良かった。なんか困ったことあったら
「変な二人」
巴が
「ちょっとここで待ってて、すぐに戻るから」
「え? わ、分かった」
「――『決してこの広間から外に出ないでね』」
巴の言葉に、
巴が、
目を
「あの部屋は何?」
「確かあの奥の間には、
あの
美月さんが身を震わせた。
「何か良くないものが、近くに来たようです」
美月さんが言い終わると同時に、紫色に輝く薄い糸が広間に張りめぐらされてゆくのが見える。
「まずいね。この広間と、家の周囲に
つづらが這って、すぐそばの
「結界って、巴が張ったのか?」
試しに扉に手をかけてみると、
いよいよ俺達はユメミサマへの
美月さんが居間の方へと走り、戻ってきた。
「ダメです。居間への入り口も開きません。
美月さんが、広間の奥にある階段状に積んである立派な木製の
「何これ? 階段?
「
階段箪笥を登る美月さんの後ろに続く。
足元が
「へえ。確かに合理的だ」
この非常事態にそんなことを感心している場合ではないが、階段箪笥の最上段にのぼると、天井に頭をぶつけてしまいそうになった。
「あちらを」
美月さんが
何かを探し回っているようだ。手に
そのうち一匹が何かを
あっという間に数十匹が群がり、一斉に扉を叩きはじめる。
まるでゾンビ映画のワンシーンのように。
いかに
──
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