#3 山風蠱(さんぷうこ)
⛩⛩⛩
「わざわざごめんね。届けてくれてありがとう」
「三人とも、
俺達を
高い
「これはもしや、
「いや。何で分かるの、あんこの有り無しが。普通分からないでしょ」
どうにも
「巴。いいのか、
「ああ。
巴が言った。
「いただきます」
隣で幸せそうな顔をして
あんこのずっしりとした甘みと、苺の
それにしても、先ほど見た
巴の家はとても立派だが、全体が暗く
柱時計の振り子の音が、やけに大きく感じられる。
立派な家だが、一人だと時間を持て余しそうだ。もしかすると、こいつは寂しいから月姫神社に遊びに来ているのかも知れないと俺は思った。
「巴って、こんなに広い家に住んでるのか。お
「坊ちゃまも何も、
俺はさっきから気になっていたことを聞いた。
「ところで、さっきの守り袋のことだけど。昔の
「
巴が蝶の紋の入った守り袋から
「古銭三枚を手の中に入れて、こうやって占いたいこと……例えば今日の
巴が慣れた様子で古銭を下から順に三枚並べた。
「古銭の表を
――巴の顔色が変わった。目つきが
手のひらの
「どうしたんだ」
「──この
「どういう意味なんですか?」
美月さんも身を乗り出す。
「虫が
決して悪い結果ではないように思えるが、巴のあの顔はただごとではなさそうだった。
突然、
巴が居間へ電話を取りに行った。
月姫神社でお
巴が誰かと話している声が聞こえてくる。
「うん。確かに『
所々聞こえてくる『ユメミサマ』という単語に、俺達は耳を研ぎ澄ませていた。
「美月さん。ユメミサマ、って何か知ってる?」
「聞いたことがありません。思い当たるとすれば、さっきの黒い
「いやしかし、あのビジュアルでユメミサマっていう
「ですが」
俺達は声を
「ああ。今来てるのはみーちゃんと
「巴くんの様子、さっきからおかしいですし、会話も何か
美月さんが心配そうに言った。
「うん。
「巴くんが話していたのは、『ユメミサマのお供えを準備しておく』『私達に広間から出ないようにしてもらう』」
「ああ。そして、俺達に
良からぬ
美月さんも同じことに気づいたようで、青ざめている。
卜部家で祀られている神は、子どもに危害を及ぼす。
先ほど美月さんから聞いた、
俺は
「もしかして、『ユメミサマへのお
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