第4章 月の輝きを追いかけて
#1 臨時収入
「ナツキ。さっきから何を
自室で
「
「別にいいんじゃない? キミとミヅキは
「では
「ボクの事はいいから、ナツキが欲しいものを買いなよ。
「そういえばそうだ」
ふと思いついてスマホを取り出し、地図アプリを立ち上げる。
電波が
「ナツキ。地図なんか見てどうするのかい」
「うん。確か、
俺は青く光る画面を見つめながら、しきりに指で地図をスクロールしていた。
⛩⛩⛩
その日の体育の授業は、俺の
笛が鳴った。
俺はスタートダッシュの
その後は一切の
ゴールを
「十秒二三?
先生の言葉に、拍手が鳴った。周りにいた男子達がどよめく。
「
「
「キャー瀬戸くーん!」
プール近くで待機している女子達からの黄色い声に、俺は
体操服姿の
「
クラスメート達の中でただ一人、疑念の目を向けてくる巴。
「失礼だな。俺、
「ふーん。足だけは運の悪さに引っ張られていないという訳ねぇ」
俺と巴が
「瀬戸。国体に……いや、オリンピックに出てみないか」
「いや。いいです俺は。っていうか、オリンピック出場って先生の
「どうしてだ。お前なら世界を目指せるだけの実力があるのに」
「いや、家の仕事が……」
先生の
短髪をなびかせて駆け抜けていくのは、クラスメイトの
俺の三列前では男子生徒が
「般若ってさぁ、スタイルいいよな。ボーイッシュな所がまた何とも」
「そうかな。確かに般若は美形だと思うけど、おれはどちらかというと二組の
「前田は幽浅派かー。俺は
急に、美月さんの名前が出てきたので俺はどきりとした。
「
「いや。よく見ろよ。彼女は目立たないけど、学年ベストスリーに入るぐらいの
それはすごく分かる。しきりに心の中で
「それに彼女、去年の
「え? あの時の
──何だって?
四月に
日頃から
俺だけがそれを知らない事が、
そんな美月さんと言えば、自分が話題になっているとも知らない様子で、白い体操服に紺色のショートパンツ姿でスタートラインに立っていた。
笛が鳴った。後ろで一つにまとめた長い髪をなびかせ、真剣な表情で走り出す彼女。
前にいる男子三人が、
「今まで何とも思わなかったけど、蓬莱って確かにいいかも。
「まだ
俺と巴がすぐ後ろにいると言うのに、余計なお世話だ。
「この僕を変人呼ばわりするとは命知らずな……あんたりをん、そくめつそく……」
「わーっ! 落ち着け、巴! 学校で
その後、先生も加わって数人がかりで巴を落ち着かせたのだが、それはもう大変だった。
表紙
https://kakuyomu.jp/users/fullmoonkaguya/news/16817330654402229754
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