オペレータ

『調停者第28期メンバー、荒牧 奏のGPS信号が消失しました。関係の深かった者は至急、Zn-18エリア支部へ集合してください』


その事件は、1人の行方不明から始まった。


「おい灰!聞いたか!?」

「もちろんだよ!あの子昨日も一昨日もいなかったしやっぱり…」

「やっぱあの時か…」

「そうだね…」

「もしかして…君たち2人だけなのか?」


困惑の声を上げながら奥から姿を現したのは調停者本部、管理者アドミニストレイターの1人、本名不明、Adm-06であった。


「管理者さん!?」

「どうしてここに…」


ASDの表示から、彼こそが普段滅多に姿を見せないadm-06であることに2人は衝撃を受ける。


「今回はこれを渡しに来たのだよ。まだ試験運用中だ。データ採取も兼ねて5つほど持ってきたのだがまさか2人しかいないとはね」

「なんでそれを僕たちに…?」

「決まっているだろう?この島唯一のランクS、それの拉致が起きてる可能性があるんだ。単なるチンピラなんかじゃない、もっと組織的なものを相手取ることだってあるだろう?そのためだよ」

「なる…ほど…だったら学生なんかよりもっと上層部の人とかでも…」

「A,Bの上位能力者がいくらいると思ってるんだ?君たちのような実働メインのメンバー以外、大体志願のC以下だよ。とにかく、それは渡した。ASDに接続してうまく使いなさい」


そう言って男は去っていった。


「っそなんだってんだ全く…別にあいつのことなんかどうでも…」

「良いわけないよな?」

「ハイスミマセン」

「とにかくこれだよ。ほら、さっさとつけるぞ」


そう促されて泰斗はしぶしぶ(?)支給されたユニットをASDに取り付ける。


『拡張デバイスの接続を確認、機能のインポート、再起動を開始します』


アナウンスが流れ、ASDの画面がブラックアウトする。普段は正確なシースルーでつけてることすら意識させないがもちろん真っ暗である。つまり……


「なんもみえん」

「外せよ」


などとくだらない一言を挟む内に再起動が完了する。


『初めまして!集合意識型AI CollectiveconsciousnessAIネットワーク、通称CocoAシステムの試作機AIサービス、ariseアライズです!よろしくお願いしますね!』


………


「キャアアアアアアアシャベッタアアアアアアアアアア!」

「うっさい!」

「痛った!」


2人の目の前、文字通りの前に現れたのはモノトーンの所謂量産型ファッションに身を包んだ女の子(?)だった。

そして2人の抱いた感想は一つ。


((開発者の趣味か))

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異能は科学とともに feat .UDON 九条 楓 @kuzyou_kaede

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