第5話

「間島さん」

哀歌が間島に泣きついた。

「どうしたんだい」

「おかあさんが、おとうさんが」

哀歌はもう言葉にならなかった。

「詳しく話してごらん」

間島はやさしかった。

哀歌は間島に心が傾いていく自分を

感じていた。

「そうかい」

「はい」

「それは気の毒だったねぇ」

間島がもう一枚の契約書の控えを懐から

取り出した。

「それは」

「キミに渡した契約書の写しだ」

「それが、何か」

「この条項にサインしてもらおう。血判がいい」

哀歌が契約書に目を通した。

「なんです、ここ。両親を助ける代わりに

一生間島俊二のもとでただ働きすることを

誓いますって」

「文面のとおりだよ」

「こんなことわたしがもらった契約書には

書いてなかったはず」

哀歌がそう訴えると、

「いいんだよ。これからもっと

条項は過激に増えていくんだからね」

間島が舌なめずりした。

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悪魔の契約書 @k0905f0905

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