第16話
父のいないリビングでほのかが母に不安をぶつけた。
「お母さん、こないだはあの玄武勇が来るし、今度は東京の警部さんに、探偵さんまで来るなんて、あの事件を捜査し直ししてるってことでしょ」ほのかはもう隠せないと思い始めイライラしていた。
「最後に、お父さんとお母さんの良いとこどりしてるなんて、絶対疑ってる」そう言ってほのかは泣いた。父と母の会話を聞いていたのだった。
「大丈夫よ!もう決着してる事件なんだから、いまさらひっくり返ることなんかあり得ないから」母はそう言う。
「じゃあ、どうして玄武勇さんが殺されたの?誰が殺したの?お母さんじゃないでしょ?」
「ばかなこと言わないで!家とは関係のない事件よ!だから落ち着いて、お腹の子に障るわよ」母親は必死に私を落ち着かせようとする。
そうこうしているうちに、お父さんが飯にしてくれ、と言いながら入ってきた。
二人ともお父さんの知らない話なので口を噤んだ。
「じゃ、私家に帰るわ」ほのかはそう言って自分達の部屋に向かった。
部屋に戻っても主人はまだ帰っておらず、ソファに座ってテレビをつけぼんやり事件を回想した。
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