第10話
帰り道「静、やっぱり哀園るり殺害事件は金の貸し借りじゃなくって、強請りだな」そう一心が言うと「へぇあてもそう思います。せやけど、加害者も被害者も苦労した人生やったんどすなぁ」と静が振り返って情感を話す。
「そうだなあ、哀園るりも分かってみれば可哀そうな女だ。確かに悪に染まるのは悪いけど、善悪関係なしに必死に生きたってことよ」
「へぇ、うちは幸せどす。あんさんと結ばれて、つくづく思いますわぁ」静がしみじみと言う。
俺も勿論そう思ってるが、男は口に出さない。
少し歩いてふと静を見ると、目がやばそう。「いや、いや、思ってないんでなくって、思ってるけど、何か恥ずかしいから言わないだけだ」静が何かを言う前にそう言訳した。
「ふふっ、わかっておます」腕を組んでくる静、愛しい。
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