健康ミネラル麦茶(1秭4000垓ミリリットル入り)

みなもとあるた

健康ミネラル麦茶(1秭4000垓ミリリットル入り)

皆さんは「ステルス値上げ」という言葉を聞いたことはありますか?


「ステルス値上げ」というのは、値段を変えないまま中身の量を少なくして食品などを販売するやり方のことを指します。


最近あった例だと、もともと5個入りだったパンを4個入りに減らして同じ値段で売るという方法もこれに該当しますね。


見た目には値上げされていないのに、実際は値上げしているのと同じ効果があることからこのような名前で呼ばれるらしいです。


さて、このように様々な商品がステルス値上げされていく中で、値上げするどころかステルス値下げしまくっている商品があるのはご存じでしょうか?


そう、それこそが健康ミネラル麦茶。


落語家の笑福亭鶴瓶さんがCMに出演していることでも有名なあの麦茶です。


SNSでも時々話題になるのですが、他社の商品が少しずつ値上げをしていく中で、この商品だけはペットボトル1本当たりの内容量が年々増加していくという極めて異常な状態が続いています。


なんとこの商品、発売当初は500ミリリットル入りだったにもかかわらず2010年に600ミリリットルへ増量。その後も数年ごとに増量を繰り返し、信じがたいことに2022年現在では670ミリリットルで販売しているというのです。


麦茶としても普通に美味しいうえに、他のペットボトル飲料よりも30パーセント以上も量が多いのですから、ロングセラーになるのも納得です。


しかし、これだけ人気のロングセラー商品ともなると、一つの心配が生まれます。


もしこのまま健康ミネラル麦茶が増量し続けたら、いつしかペットボトル1本当たりの内容量が地球の水分量と同じになり、地球に存在する水分はすべて1本の健康ミネラル麦茶になってしまうのではないか…


このことに気が付いたその日から、私は恐ろしくて夜しか眠れません。


そこで今回は、大体西暦何年くらいに地球の水分がすべて健康ミネラル麦茶になってしまうのかを検証したいと思います。



【計算方法】


健康ミネラル麦茶がこれまでに増量されてきた傾向を調べたところ、平均すると1年で約10ミリリットルの増量を行っているということが判明しました。


さらに正確に計算を行うため、これまでに増量が行われてきた年と内容量を調べて近似直線を作成したところ、次のような計算結果が得られたのです。



健康ミネラル麦茶の内容量(ミリリットル) = 西暦の年数 × 8.2055 - 15881



この式を使うことにより、西暦の値を代入するだけでその年の健康ミネラル麦茶の内容量が計算できることになります。


例えば西暦の値に2015を代入すると2015年の内容量が求められることになり、その計算結果は653.1ミリリットルとなります。


2015年は650ミリリットルへの増量が行われた年ですので、どうやらこの式はしっかりと機能しているようです。


西暦に2030を代入した場合、この式の値は776.2ミリリットルとなります。


なるほど、あと7年ほど経つと健康ミネラル麦茶の内容量はそんなに多くなるのですね。


さて、内容量の計算式が無事に得られたところで、次は地球に存在する水分の総量を調べてみましょう。


文献によっては多少数値の違いはありましたが、どうやら約14億立方キロメートルという数値が有力のようです。


これはリットルに換算すると14垓リットル(1秭4000垓ミリリットル)になります。もう少し分かりやすい単位を使うしたら、1兆リットルの14億倍ということになります。分かりにくいですね。


(メモ:1立方キロメートル = 1キロメートル × 1キロメートル × 1キロメートル = 1000メートル × 1000メートル × 1000メートル = 10億立方メートル = 10億×1000リットル = 1兆リットル)


数字が大きすぎてよく分かりませんが、とにかく地球には意味不明なくらい大量の水分が存在しているということです。


ですが油断はできません。なにせ相手はあの健康ミネラル麦茶なのですから。これだけ途方もない水分量に見えても、いつかあの麦茶はこの数字に迫る勢いで増量をしてくるはずなのです。


先ほど得られた計算式に、14垓リットル(1秭4000垓ミリリットル)という数値を代入してみましょう。


1400000000000000000000000 = 西暦 × 8.2055 - 15881


この西暦の値を求めることにより、健康ミネラル麦茶ペットボトル1本当たりの容量が地球の全水分量と同じになる年が判明してしまうわけです。


結果はなんと、西暦170617269000000000000000年ということが分かりました。


なんと恐ろしいことでしょうか…西暦1706垓1726京9000兆年には、世界中の水分はすべてペットボトル1本の健康ミネラル麦茶になってしまうのです。


西暦1935年には0ミリリットル入りだった健康ミネラル麦茶が、じわじわとその内容量を増やしていき、ついには1706垓1726京9000兆年という年月をかけて地球の水分をすべて自身の物としてしまう…


しかも、問題はこれだけにとどまりません。


ペットボトル飲料の賞味期限は、長くてもおよそ1年。言い換えれば、西暦170617269000000000000000年の次の年である西暦170617269000000000000001年には、すべての健康ミネラル麦茶が賞味期限切れになってしまうということ…


人類の皆さん、こうなったらどうにかして1年間ですべての麦茶を飲み干すしかありません。


でも心配しなくても大丈夫です。人類の総人口を100億人とすれば、1人が飲まなければならない量はたったの1兆4000億リットルですから。


さあ、熱中症対策のためにも全人類で麦茶を飲み続けましょう。

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健康ミネラル麦茶(1秭4000垓ミリリットル入り) みなもとあるた @minamoto_aruta

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