第11話魔族、ブチ殺される
魔族Side
「お前……魔族だな?」
「なんと一目でわたくしの正体を……貴様、何者?」
「俺はレオ、ただの人間だ」
「だめです! 逃げてくださいね! こんな化け物になんて……勝てないね!」
少女は必死に叫ぶ。助けに来た者の身を案じている。そんな子を殺さない手は……無いわね。でも、どうせ殺すなら絶望と悲しみを背をわせて……自分を助けに来た男が八つ裂きにされる様を見せた上で……同じ手順で殺したら、先が予想出来て恐怖がより増すか?
そうね。まずはこの男を先に殺して……それから恐怖に染まったこの女を……わたくしの大好きなお漏らしをしてくれるかもしれませんわね。女が失禁しながら泣き叫び命乞いをする様は堪りませんものね。でも、先ずは男の方にも恐怖を……ふふッ。
そうですね。先ずは女の四肢を切断すると言ってあげましょう。そして、嘘よーと言って男の方の四肢を切断してあげましょう。丁寧に一本づつ。
ああ、たまらない、この感覚。
「ふふふ、唯の人間でしょうね。人間であるが限り、わたくし達に勝つ事はできません。趣向を変えて、この女の四肢を切断してあげましょうか?」
え? 何こいつ? 顔色一つ変えない。何? サイコパスって奴なの? でも、自分の四肢を一本づつ切断されたら……そしてそれを見ていたこの女にも同じ事をすると言ったら?
たまらない! 超ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお素敵ぃ!
泣け叫ぶ顔。いやいや、駄目よ。四肢を切断する前にはたっぷりと拷問をして遊ばないと。
いや、前の女みたいに股から手を突っ込んで内臓を掻き回して、子宮とかいう内臓を抉り出してやろうかしら? 前の女はその内臓を目の前で食ってやったら、ぷッ!
お漏らしぃ! 笑える!
「それとも、ふふ、それとも……あ? え? わた、ぐし、へぐッ!」
ズガーンという打撃音と共に……わたくしは草原を転がっていた。
何が? 何が起こった?
天地が目まぐるしく回る、青い空と地面、一体何が起こった?
「え? ガッ!」
わたくしの……わたくしの体がぁ!
転がるのが止まったかと思った時に目に飛び込んで来たのは……。
ブシャーーー!!
激しく黒い血を噴き出す首の無いわたくしの胴体だった。
え? 何? わたくしに何が起こった? アイツが? アイツがやったのか?
全く微塵も動いた気配はなかった。なのに? アイツはわたくしにも感知できない速度で……動けるって……言うこと?
ここは死んだふりだ。わたくしは首を落とされただけなら3日は死なない。
「他人を痛ぶるのを自身が味わうのはどんな気持ちだ? まだ生きてるんだろ?」
ギクッ!?
こいつは俺の首をひょいと持ち上げると。
「さあ、答えろ。すぐ答えたらすぐに殺さないでやる。嘘を言わなかったらすぐに殺さないでやる。質問以外の有力な情報を答えたらすぐに殺さないでやる!」
「……!!」
わたくしは思わず声にならない声が出た。生きているのがバレてる。しかも尋問されている。答えなければ待っているのは……死。
初めて感じた死の恐怖。膝がガタガタ笑うのを感じた。既に繋がっていないにも関わらず。
わたくしは恥をしのんで答えた。
「こ、答える。答えますから」
「まずお前は何をしていた?」
「ひ、人狩り。半魔族を作るため、ひぃ!」
男の顔色が変わる。こ、殺される!
「半魔族というのはなんだ?」
「に、人間に瘴気を流し込んで人工の魔族、半魔族を作って……」
こ、こんなことを喋ったのがバレたらわたくしの命がぁ。だけど話さなければ今殺される。
「何処でそんなことをしている?」
「そ、それはわたくしにもわからない。ただ、お前ら人間の貴族のアストレイ伯爵がわたくし達に協力している。だから多分、そこで」
ヒィィィ!
不満そうな顔の男、答えが不十分か? だがわたくしもそれ以上は知らない。
「ありがとう。助かったよ。必要な情報がある程度わかった」
「へ、へへ、満足して頂けましたか? それじゃわたくしは、ほげぇ!!」
男はわたくしのこめかみを掌で掴んでわたくし目をじっくりと睨んだ。
「言っておく、人の平穏を踏み躙っておいて、自分だけぬくぬくと生きていけると思うな」
「……あぐ……へぐ……ガフッ!!」
男がきつく頭を掴んでいるから変な奇声がわたくしから発せられる。
「自分がこれまでやって来た事をよく考えろ。考えたら俺がお前を生かして返す訳がないということがわかるな?」
「……!!!!」
そんな! 答えたら殺さないって!
「うん? 俺の言った事に不満があるのか? 俺は答えたらすぐに殺さないとは言ったが殺さないとは一度も言っていない」
わたくしのこめかみに男の指があり得ない量食い込んで、頭蓋骨が軋む。
そして。
グシグシャグシャン
頭蓋骨が割れる音と飛び散る脳漿と目玉を見ながらわたくしの頭が握り潰されるのがわかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます