年賀状&お金のおはなし 🐓

上月くるを

年賀状&お金のおはなし 🐓





 またしても司馬遼太郎さんの受け売りにて恐縮至極です。(´ω`*)

 うっかり叱ったばかりに……泉下で苦笑されているやも。( *´艸`)


      *


 ひと旗あげようと上京した石川啄木が頼ったのは、縁の薄い若い言語学者だった。

 頼られた金田一京助さん曰く「あの人には私だけしか友だちがいなかったのです」


 それだけでもジンとするが(むろん啄木ではなく金田一さんに(笑))「わがままな後輩を生涯見捨てなかった」とつづくと、感動の堰がどうにも堪えきれない。💧




      🦀




 テレビで年輩の女優(ミス何とかの)が「友人がワンサカいる」と誇っていた。

 なんでも趣味が広くて、それぞれの会に親友がいるそうだけど、ほんとかいな? 


 それを言えば橙子さんもコロナ前はジム友が大勢いたけど、あれって親友なん? 

 いい歳してわあわあきゃあきゃあ騒ぎ合っていただけ、友だちですらなくない?


 あの人が存命だったら……と慕うのはただひとり、高校の同級生だったМ子さん。

 彼女が橙子で橙子が彼女かと思うほどで、ずうっと味方でいてくれた本当の親友。




      😊




 話はとぶが、半世紀近い仕事を閉じるのは相当な重労働で心身の疲弊が極に達し、もう仙人のように隠遁したいと思い詰め、身近な周囲にだけ年賀状の廃止を告げた。


 大半は「そういう時代だよね」と納得してくれたが「一方通行で構わないから」という人もいて、そのひとりが老親の介護のために退職していた女性スタッフだった。

 


 ――ご縁がきれてしまうのはさびしいです。

   わたしにとって社長は永遠に社長です。



 相変わらず生真面目でやさしいペン字は、心の氷をお湯のようにとかしてくれた。

 2023年の元旦にもまたあの年賀状が届くことを思うと、それだけで心愉しい。


 それに、年賀状の交流はないけれど、橙子の気持ちを豊かにしてくれる友人たちや近所のみなさん、心療内科医、そして感動を共有してくださるカクヨム仲間の方々。


 さりげなく日常に溶けこんでいるので気づかないが、ひとり暮らしの心身を支えてくださる友だちがたくさんいるんだよね~、たいせつなことを再認識した橙子さん。 




      👝




 ふたたび話は変わります。(笑)

 (いつものことじゃけえ(*'ω'*))


 下剋上の太閤秀吉を生んだ発端は応仁の乱(1467~77)だったと、内藤湖南( 明治の東洋史学)が言ったと小林秀雄が言ったと司馬さんが言っている。(笑)


 そもそもの史実なるものの出典とは……と問いたくなるような話だが、社会秩序のくずれで上下が入れ替わった史実を思えば、時の為政者は枕を高くして寝られまい。


 権力は橙子さんには関係ないことだから置くとして(笑)乱で活発になった商業を信長が楽市楽座で伸長させ、跡を継いだ秀吉が全国各地の市を自分の城下に集めた。


 かくて今日の経済基盤が築かれたことを考えると、歴史に ifはないというものの、あのとき応仁の乱という十年戦争が起こらなかったらと想像を巡らせるのも面白い。




      💰




 そして、個人的な if を許されるなら、橙子さんは迷わずお金の消滅をあげるはず。

 思えばこれまで経験した艱難辛苦の連理はことごとくお金の幹につながっている。


 もしもお金という存在がこの世になかったなら、どんなにか人生が楽だったろう。

 そう思うと、秀吉や信長に「ちょっと、あんたねえ」と詰め寄りたくなる。(笑)


 だが、分かってもいるのだ、彼らに代わるだれかが似た状況をつくっていたろう。

 地球に人類という厄介なものを置いた神は、責任を取って、なんとかして欲しい。





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