SFシリーズも第3弾ですね。
雫さんのリベレーター追試験、国際的大企業VSSへの借金返済、一攫千金バトルの結果がそれぞれ出ました。
他人と過去は、自分に変化させることが出来ないとよく言います。
お嬢様たちとの因縁や、謎の宗教団体との因縁、そして膨らむ借金。
サブキャラの平凡なトムから、全人類トップに近い方の蔵王仙楽会長まで、地球上に存在する全ての生命体が世界情勢に巻き込まれているんだなーと思います。
散々な中での幸いは、雫さんがリベレーターになったことです。
さて、何者でもない奴ら(ノーバーディーズ)は、とんでもなく生存競争が激しい未来の世界でどう生きていくんでしょうか。
Liberator. The Nobody’s.の第3部に当たる本作。
第1話「隠者」の不穏な空気から一転、第2話「若気の至り」からは地球最後の楽園イルミナス・ラストベガスのアリーナコロシアムで華々しく活躍する雫を中心に物語は進行する。
しかし、ただ活躍し続けるだけでは物語にはならない。
雫をコロシアムの内外を問わず狙うパトリシア・ハンバートの手勢、新たなる闘技者、忍び寄る教団の影……
重厚かつ臨場感溢れる戦闘シーン、カジノでの大勝負、幕間に挿入されたコミカルな一コマ。
すべてが高い熱量のまま、怒涛の勢いで流れていき、約175000文字という長さにも関わらず、この世界に埋もれていたい、早く続きを、と思わせてくれる作品でした。
そして第3部のタイトルでありテーマでもあろうDon't want reunion.
読み終えた後にその意味を噛みしめたい。