「女の子だから」(随筆)

西しまこ

「女の子だから」

 わたしは男尊女卑思想が嫌いである。

 ええ、もう、それはそれは嫌いなんです。

 年齢がだいぶ分かってしまうけど、就職活動して分かったのは「男性と女性はそもそも同じスタートラインに立っていない」ということ。学生の間はテストで百点取れば一番になれたけど、女性はそもそもスタートラインに立っていないから、ただ女性であるというだけで、もうそれは用無しなのだ、という事実。「四大卒女子は要りません」とか、なんだ、そりゃ。

 なんとか会社に入っても、男性にはどんなに頑張っても追いつけない。そもそもの賃金設定が異なるから。あほなわたしはそれを知らずに入社してしまったのである。しかし、仕事内容が特に変わるわけでもなく、高慢だったわたしは「なんであんな馬鹿よりも給料が低いんだよ」と本気で憤っていた。

 あ、念のために付け加えておくと、会社自体はよい会社でした。人間関係にも恵まれていたし。でも、自分のやりたいことがやりたくて、辞めたのだけど、それはまた別のお話。


 最近気づいたのは、一番の敵は親だった、ということ。

 親というか、母親というか。

 そう言えばそう言えば「女の子だから、そんなに働かなくてもいい」「女の子なのに、男といっしょに出来るわけがない」「女の子は結婚して、男に養ってもらえばいい」「女の子なのにどうしてそんなに働くの」とかなんとか、いろいろ言われていたことを、思い出した。

「女の子だから」

 うざい。

 ああ、ほんとうに嫌い。

 わたしはわたしの足で立っていたい。自立していたい。

 働くのは好き。誰かにすがって生きていくのは好きじゃない。


 ちなみに、結局わたしは「何かに所属して働くこと」が苦手なことが分かり、ついでに最近「嫌いなことは出来ないこと(大人になったけど)」も再認識し、現状はあまり稼げていません。でも「女の子だから」っていう理由ではない。

 自分で働いて稼いでいないと、どうも自分が惨めな人間に思えてしまう。

 頑張って働くぞ!

 という決意表明になってしまいました。

「女の子だから」に関しては語ると長くなるので、とりあえず、この辺で。

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