あらたまの恋 ぬばたまの夢 〜未玉之戀 烏玉乃夢〜

第三話 ✤✤主要登場人物紹介・あらすじ✤✤

　✤あらすじ✤

　大川と三虎は、遣唐使（けんとうし）として、唐（とう）に渡った。

　４年後、上野国（かみつけのくに）に帰ってきた。

　◆吉弥侯部（きみこべの）　古志加（こじか）──主人公。２３歳。

　三虎を待った。待ちに待った。

　◆石上部君（いそのかみべのきみの）　三虎（みとら）──この物語のヒーロー。

　２９歳。

　大川の乳兄弟（ちのと）であり従者。やっと上野国（かみつけのくに）に帰ってこれて嬉しい！

　◆上毛野君（かみつけののきみの）　大川（おおかわ）──大領（たいりょう）の跡継ぎ。

　２９歳。嫁を唐でGETしホクホク。

　✤三虎の家族（と甥っ子・姪っ子）。

　◆石上部君（いそのかみべのきみの）　八十敷（やそしき）──三虎の父。

　上毛野衛士団長大佐（かみつけののえじだんちょうのたいさ）。

　大川・三虎の武芸の師。

「大川さまと、三虎が無事に帰ってこれて、これ以上の喜びはない。二人とも立派になって……。じぃん……。」

　◆石上部君　鎌売（かまめ）──三虎の母刀自。女官を取り仕切る女嬬（にょじゅ）のトップ。

「まったく……良かったわ。三虎……。」

　厳しい女の目にも涙が光る。

　◆有馬君（ありまのきみの）　日佐留売（ひさるめ）──三虎の姉。

　３１歳。

　古志加の恋路を応援するべく、今回も何か、裏でゴソゴソ画策（かくさく）中……？

「うふふ、任（まか）せてちょうだい。」

　◆有馬君　浄足（きよたり）──三虎の甥っ子。日佐留売の息子。

　１３歳。

　穎人（かいひと）の乳兄弟（ちのと）であり従者。

「穎人（かいひと）さまの従者として、今は毎日が充実です。」

　◆有馬君　多知波奈売（たちばなめ）──三虎の姪っ子。日佐留売の娘。

　６歳。

　◆石上部君　布多未（ふたみ）──三虎の兄。

　３０歳。

　上毛野衛士副団長大尉（かみつけののえじふくだんちょうのたいい）。

「大川さまのご帰還、一日千秋（いちにちせんしゅう）の思いでお待ちしておりました。再びご尊顔を拝することができ、この上なき喜びでございます。

　ん？　三虎？　──おかえり。」

　✤大川の家族。

　◆上毛野君（かみつけののきみの）　広瀬（ひろせ）──大川の父。上野国（かみつけののくに）大領（たいりょう）。

「よくぞ遣唐使の任をやり遂げた。名誉に思う。」

　◆上毛野君　宇都売（うつめ）──大川の母刀自。優しく控えめ。

「…………無事に………。」

　一人息子の帰還に、涙で声にならない。

　◆上毛野君（かみつけののきみの）　穎人（かいひと）───大川の養子。幼名は、難隠人（ななひと）。

　１３歳。

「父上の帰国が嬉しい！　三虎も無事で何よりだ。あのふてぶてしい顔をまた見れて、嬉しく思うぞ。」

　◆上毛野君（かみつけののきみの）　可須美（かすみ）───大川の妻。大川が唐から連れ帰った。

　✤上毛野衛士卯団（かみつけののえじうのだん）

　◆荒弓（あらゆみ）──大志（たいし）（リーダー）。

　４９歳。

　頼れる人の良いおじさま。

「三虎───ッ！　おかえりなさーい！」

　◆薩人（さつひと）──少志（しょうし）（副リーダー）。

　３５歳。

　三虎をからかう細長いお兄さん。

「三虎ーっ！　うおぉぉぉん！

　また遊浮島（うかれうきしま）行きましょうねぇぇ！」

　◆老麻呂（おゆまろ）──少志（しょうし）。３８歳。

「薩人！　そういう事、言うな。古志加が向こうで、すごい睨（にら）んでるぞ！」

　◆花麻呂（はなまろ）──爽やかに笑う癖っ毛の若者。

　２５歳。

　いいヤツ。莫津左売（なづさめ）に恋してる。

「まったく薩人は懲（こ）りないなぁ。古志加のところに行ってくるよ。

　おーい、古志加、そんな怖い顔すんな。」

　◆阿古麻呂（あこまろ）──垂れ目の優しい若者。

　２４歳。

　花麻呂の幼馴染。甘糟売（あまかすめ）を妻にして、一緒に暮らしはじめている。

「ははは………。」

　✤女官

　◆福益売（ふくますめ）──古志加の良いお姉さん的女官。

　２８歳。

　顎がしゅっと尖っている。

「大川さまが、妻を……！　

　しくしくしく……。もう立ち直れないわぁぁ！」

　◆甘糟売（あまかすめ）──つぶらな瞳、おとなしい性格。

　２８歳。

　もとは、古志加と同室の女官だったが、今は女官を辞め、夫（つま）・阿古麻呂（あこまろ）と二人で暮らしている。幸せです！

　✤その他

　◆莫津左売（なづさめ）──遊行女（うかれめ）。

　３０歳。

　三虎の吾妹子（あぎもこ）。

　この年齢でも、華奢で白梅のような美女で、全盛期ではなくとも、人気の遊行女（うかれめ）。

　✤この物語独特の用語。

　・妹（いも）──たった一人の運命の女。

　・吾妹子（あぎもこ）──愛人。