第八話 ✤✤登場人物一覧・あらすじ✤✤
【あらすじ】
奈良時代。
郷長に
ホンマモンのえらい若様と、その従者に拾われ、お屋敷で働くことに。
それは良いけど、本当は女の子って、誰も気がついてくれない……?!
◆
女の子だが、幼い頃より、女らしく振る舞う事を許してもらえず、男の子のように育つ。
それが普通だったので、
母親がこじかと発音できなかったので、こるはという名前をいつも使う。一人称は、オレ。
◆
16歳。
大川の
豪族。
いつも無表情かムッと不機嫌そうな顔。
◆
大豪族。
地方行政のトップの息子と考えていただければ。
乱暴に言えば、
絶世の美男子。
独身。16歳。
✤古志加の家族。
◆
郷長に手籠めにされ殺害された。
一心に古志加を愛した。
◆
✤三虎の家族。
※父、母、姉、兄、が三虎にはいるが、4人とも、登場はこの先なので、読者は忘れて良し。(๑•̀ㅁ•́๑)✧
三虎は、
◆
衛士団のトップ。
◆石上部君
女官を取り仕切る
大川の
◆
実質、
おっとりした微笑みの美女。
◆石上部君
✤
(上毛野衛士団は四つの団に別れる。それぞれ、大志(一人)、少志(二人)を
◆
三虎は従者がメインなので実質、
◆
ひょうきんな細長いお兄さん。
* * *
おまけ。
石畳の道の向こうから、人が歩いてくる気配がした。
(大川さまと三虎だ!)
大川さまは、
(三虎、三虎……。)
古流波は、すぐに道わきに立ち上がった。
(駆け寄っていって、話しかけたい。三虎の後ろをくっついて歩いてまわりたい。今日あったことを話して、くしゃくしゃと頭を撫でてほしい。)
でも、三虎は従者のお勤めの最中だ。
話しかけてはいけない。
古流波は礼の姿勢をとり、目をふせ、二人が歩き去るのを待った。
ふわり、と大川さまと三虎の、高価なお香の良い匂いが鼻をかすめ、さらさらと衣擦れの音も軽やかに、二人は黙って古流波の前を通りすぎた。
古流波は礼の姿勢をほどき、二人の背中をじっと見送る。
(三虎。かっこいいなぁ……。
オレの事をちっとも見てくれなかった。
当たり前か。
オレは、ここの、
古流波の着ている衣は、擦り切れた
手指は、労働でいつもガサガサとしてるし、唇も、冷たい風にあたって、しょっちゅう切れてしまう。
財産も、持ってない。
持ってるものは、母刀自の形見の
対して、あの人は、何でも持ってるのだろう。
オレは、衣を一枚しか持ってないけど、三虎は、たくさん衣を持ってる。
肌艶も良くて、良い匂いがして、文字の読み書きだってできる。
三虎は豪族で、郷長の上の、
(本来なら、オレは馴れ馴れしく喋りかけたりできない人なんだよね……。
でもあの人は、毎晩、オレと一緒に寝てくれるし、初めて会った日、オレを強く抱きしめてくれたんだよ……。
三虎のかたい胸、温かかった。
オレは三虎の胸までしか背丈がないから、抱きしめられると、すっぽり、三虎に埋まってしまった。
腕の力が強かった……。)
三虎に抱きしめられた時の事を思い出すと、頭がぽわん、として、幸せな気分になる。
古流波はしばらく、その幸せな気分に浸り、
「ふう。」
ぽわんとした熱気を吐き出すように、ため息をついて、気分を入れ替えてから、また、道わきの雑草を抜き始めた。
───完───
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