✤登場人物一覧・あらすじ✤

 ◆吉弥侯部きみこべ 古志加こじか──主人公。唯一のおみなの衛士としての凛々しさと、恥ずかしがり屋の乙女、両面を持つ。


 ◆石上部君いそのかみべのきみの 三虎みとら──この物語のヒーロー。 大川の乳兄弟ちのとであり従者。上毛野衛士卯団長少尉かみつけののえじうのだんちょうのしょうい。いつも無表情かムッと不機嫌そうな顔。


 ◆上毛野君かみつけののきみの 大川おおかわ──大領たいりょうの息子、乱暴に言えば上野国かみつけののくに内を歩くなら王子様の扱いだ! 絶世の美男子。





 ✤古志加の家族。


 ◆吉弥侯部きみこべ 福成売ふくなりめ──古志加の母刀自ははとじ(母親)。郷長に手籠めにされ殺害された。一心に古志加を愛した。


 ◆吉弥侯部きみこべ 伊太知いたち──古志加の父親。福成売ふくなりめを攫って妻にし、舌まで切った極悪人。失踪。



 ✤三虎の家族。


 ◆石上部君いそのかみべのきみの 八十敷やそしき──三虎の父。上毛野衛士団長大佐かみつけののえじだんちょうのたいさ。妻にメロメロ。


 ◆石上部君 鎌売かまめ──三虎の母刀自。女官を取り仕切る女嬬にょじゅのトップ。厳しい。大川の乳母ちおも


 ◆有馬君ありまのきみの 日佐留売ひさるめ──三虎の姉。難隠人ななひと乳母ちおも。女嬬として堂々としつつ、おっとりした微笑みの美女。不甲斐ないおのこには凶暴化する。


 ◆有馬君 浄足きよたり──三虎の甥っ子。日佐留売の息子。難隠人の乳兄弟ちのとであり従者。最近はオロオロするのが落ち着いてきた。


 ◆石上部君 布多未ふたみ──三虎の兄。上毛野衛士副団長大尉かみつけののえじふくだんちょうのたいい。妻にメロメロ。



 ✤大川の家族。


 ◆上毛野君かみつけののきみの 広瀬ひろせ──大川の父。上野国かみつけののくに大領たいりょう


 ◆上毛野君 宇都売うつめ──大川の母刀自。優しく控えめ。ちなみに背が高い。


 ◆上毛野君 広河ひろかわ──大川の兄。難隠人の実父。死去。


 ◆上毛野君 難隠人ななひと──大川の養子。最近は悪戯も落ち着いてきた。



 ✤上毛野衛士卯団かみつけののえじうのだん

(上毛野衛士団は四つの団に別れる。それぞれ、大志(一人)少志(二人)をようす。)


 ◆荒弓あらゆみ──大志たいし。三虎は従者がメインなので実質、卯団うのだんを取り仕切る。頼れる人の良いおじさま。


 ◆薩人さつひと──少志しょうし。腕が立ち、良く気が付く。三虎をからかう細長いお兄さん。遊浮島うかれうきしま通いが趣味。


 ◆花麻呂はなまろ──爽やかに笑う若者。いいヤツ。莫津左売なづさめに恋してしまった。


 ◆阿古麻呂あこまろ──垂れ目の優しい若者。古志加相手にやらかした。花麻呂の幼馴染。


 ◆老麻呂おゆまろ──少志しょうし。薩人より年上、荒弓より年下。


 ◆川嶋かわしま──身体が大柄。寡黙。薩人と同じ年齢。つまりお兄さん。



 ✤女官


 ◆福益売ふくますめ──古志加の良いお姉さん的女官。八重歯がかわいい。恋愛話に夢中になると、きゃ──っと嬉しそうに叫ぶ。


 ◆甘糟売あまかすめ──おとなしい性格。



 ✤その他


 ◆有馬君ありまのきみの 浄嶋きよしま──日佐留売ひさるめつま浄足きよたりの父。日佐留売に頭があがらないが、妻の美しさを今でも愛しんでいる。


 ◆阿刀宿禰藤売あとのすくねのふじめ──怖〜い大豪族の娘。八の字眉の、向かうところ敵なしの美女。河内国へ帰りました。


 ◆莫津左売なづさめ──遊行女うかれめ。華奢で白梅のような美女。三虎の吾妹子あぎもこ遊浮島うかれうきしまより宴以外、外出はできない。

     



 ◎背の高さ順。


 1位……大川

 2位……三虎

 3位……薩人、布多未

 4位……花麻呂

 5位……古志加、宇都売、他、男性陣。

 6位……女性陣。



 ※圧倒的ムキマッチョは、布多未。

 




 ✤あらすじ


 十歳で三虎と大川に命を助けられた古志加。

 三虎を恋うてる。

 告白しようとしたら、大川さまが奈良へ宮仕えに行く、古志加は上野国かみつけのくにに置いていく宣言。

 告白もできない。

 三虎は、古志加を衛士の一人として奈良に連れて行くこともできたはずなのに、古志加を置いて、奈良へ行ってしまった。

 悲しみに沈みつつ、阿古麻呂あこまろ妻問つまどいされて頬ビターンしたり、三虎の兄、布多未ふたみと稽古をつけてもらって頬ビターンしたり。


 次回予告!


 そして、ようやく三虎が上野国に帰国するが……。



 ✤この物語独特の用語。


 ・いも──たった一人の運命の女。


 ・吾妹子あぎもこ──愛人。ただし、卑下するニュアンスは無く、愛人の美称。財力のある男性は、何人でも吾妹子を作れる。


 ・妻問つまどい──プロポーズ。


 ・たたらをや───日中の別れの挨拶。良き日を。さようなら。たたらが燃えるような赤い明るい太陽に恵まれた日でありますように。



 ・味澤相あじさはふをや───夜の別れの挨拶。良き夜を。さようなら。美味しい夕餉にくつろぐ夜を迎えられますように。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る